<映画館スタッフに聞いた>パンフレットはインテリア!?
vol. 11 2018-10-25 0
<映画館スタッフに聞いた>第2弾。今回お話を聞いたスタッフの好きなパンフレットは『はじまりのうた』。特に衣裳ページが好きすぎて、そのページを開いて飾っているという偏愛ぶりも教えてくれました。
パンフレットはインテリア。グッズとしての価値が大事です
(元・映画館アルバイトスタッフ M.Y)
――普段はどのくらいパンフレットを買いますか?
私、パンフレットは全然買わないんですよ。本当に好きだなと思った映画のパンフレットしか買わなくて、だいたい1年に2~3冊です。1年間に映画館で観る映画が70~80本くらいなので、結構厳選していますね。今年は、『スリー・ビルボード』『シェイプ・オブ・ウォーター』『ブリグズビー・ベア』がすごく良くて、パンフレットも買いました。
――今日持ってきてくれたのは『はじまりのうた』(15)ですね。
(衣装紹介のページを開いて)このページめちゃくちゃかわいくないですか!? すごくかわいい! このページを読んで衣装の真似もしたんですよ。普段からポシェットを使うようになったりしました。気持ち悪いって思われるかもしれないですが(笑)。でも本当に、映画を観ながらキーラ・ナイトレイの衣装がかわいいなと思ってたんです。ただ、映画が終わると、なんとなく何年代っぽいなとは分かっても、細かいところまでは正直覚えてない。ポシェット使いをしていたことすら覚えてなかったです。パンフレットを読んで、「こんな衣装、劇中であったっけ? かわいいな」と思って、普段も使うようになりました。女優さんのスタイルじゃないと真似できない衣装もたくさんありましたけど(笑)。
――大切な1冊ですね。
好きなパンフレットといえば、これしか思い浮かばなかったです。私は、パンフレットは表紙が見えるように飾りたいんですが、このパンフレットは衣装のページを見開きで飾っています。ちなみに、同い年くらいのスタッフに好きなパンフレット聞いてみたら『ハリー・ポッターと賢者の石』(01)ばかりでした。私たちの年代(1994年生まれ)は小学校1年生の時に観に行ったので、映画の最初の思い出なんです。ヴォルデモートが登場した作品では、俳優さんの素顔のインタビューを観て驚いたって人もいました。
――映画館でパンフレットを売っていて印象に残っている作品はありますか?
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(15)ですね。何度も再入荷して、その度に売れました。お客様に何回も「売り切れです」って謝った記憶があります。<ブラック&クローム>エディションが上映された時も、やっぱり売れました。パンフレットはたしか、中身は公開当時のものでしたよね。特別に新しく作ったものではなくて、表紙だけ変えたものなのに、売れたんですよ。レジで毎回「同じ内容の表紙違いですが大丈夫ですか?」って確認してから売っていました。表紙が違うだけでも売れるってすごいなって思いましたね。
――公開当時のパンフレットと並べて飾っているのかもしれませんね。
たしかに! <ブラック&クローム>エディションは、イモータン・ジョーの表紙だったんですよね。パンフレットの価値って、中身じゃないのかな? って思ってたけど、見た目の付加価値も大事なんだなって思いました。記録として、コレクションとして、持っていることに価値があるんですね。
――中身を見てから買う人はいましたか?
レイトショーの時間は、見本をさっと見て買っていくお客様はいました。さわりだけ読んで、気になって買っていくみたいです。でも、朝とかお客様が少ない時間帯で、特に『スターウォーズ』みたいな設定が複雑で登場人物が多い作品だと、立ち読みして確認して返されちゃうことも多かったです。私は『スターウォーズ』は1作も観てなかったのですが、『フォースの覚醒』のパンフレットはすごくわかりやすく、事細かにあらすじが書いてあったので、それを読むだけで追いつくことができました。なんて素晴らしいんだろうって(笑)。
――デザインについてはいかがですか?
飾る目的で買うことが多いので、かなり大事です。ポスターがなかなか手に入らないから、ポスターと同じデザインがいい。特に海外版のポスターはかっこいいことが多いから、それを使ってくれると嬉しいです。
――最後に一言お願いします。
私はパンフレットを飾るので、グッズとしての価値が大事です。インテリアとしてのパンフレットを集めていきたいです!
(取材・文/ひろし)