コラム8 旧市街の楽しみ
vol. 9 2017-05-24 0
残り8日となりました。CD制作決定まであと20万円!
水曜日夜は、選曲者本田聖嗣の担当する番組がございます。
OTTAVA Salone 18:00~
http://ottava.jp/
こちらのプレイボタンからお聴きになれます
番組内でもこのCDについてのお話があることでしょう。
コラムを読むのも楽しいですが、お話もまた楽しい。
ご期待ください。
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コラム8 旧市街の楽しみ
フランスは、歴史的建造物を保存するのに大変熱心な国です。耐久性のある石造りの家が多いということと、全くないわけではありませんが、日本などに比べると、はるかに地震が少ないというもともとの恵まれた事情があるにせよ、なるべく「使いながら景観を保存する」ということに心を砕きます。具体的には、古くからの建物が残る一角を「旧市街 歴史地区」として、車の乗り入れを禁止して、歩行者ゾーンにしたり、景観を破壊するような近代的設備や宣伝看板などを厳しく規制したり・・それによって、そこに住む人たちはかなり不便な場合もあると思いますが、それを我慢してでも「タイムトリップ」が体験できるような景観を保持するという了解が人々の間にあります。
南フランスの各都市には、ほとんどこの「守られた旧市街」があり、観光客も地元の人も徒歩でそぞろ歩きながら、何世紀にもわたって作られてきた街の雰囲気を楽しむことができます。
【南仏に特徴的な鷲の巣村】
また、サン・ポール・ド・ヴァンスに代表される「鷲の巣村」・・これは、コートダジュール地方など海に近い地域で、その昔海からやってくるサラセン人の海賊たちの襲撃を避けるため、村を天然の城壁たる山の上に作ってしまったところからこう呼ばれます・・では、村そのものがもとからあえて不便に作られているため、近隣のもう少し平坦なところに、観光客用の駐車場を整備し、そこに車を止めて全員徒歩で「鷲の巣村」に入る・・という方式をとっているところさえあります。日本でも、木曽の妻籠や馬籠が似た構造になっていますが、南フランスにはそういった村が、数多くあります。
あえて徒歩でしか入れない歴史の街並み・・・中世の旅人になったつもりで、楽しみたいものです。このアルバムを聴きながら、写真をどうぞご覧ください。
【プロヴァンスの鷲の巣村の町中の風景…おそらく中世から風景は変わっていない】