書き忘れていましたが、公開テストフライトは今年限りかも知れません。
vol. 6 2016-06-27 0
本日深夜、目標額を達成しました。ご支援いただいた多くの方、ありがとうございます。本当に感謝いたします。
さて、先週の金曜日、10年前の個展「OpenSky2.0」
でお世話になったICCに行きまして、当時の担当学芸員の畠中さんとお話していたのですが、そういえば「公開のテストフライトを今年やりますが、公開で飛ばすのは今年限りかもしれません」というのを、色々お世話になった方にすらお伝えしていなかったな、ということを思い出してしまいました。これについては、とても反省しています。
ということで、ちょっと長くなるのですが、その理由を説明しますね。
(1)公開のテストフライトには、練習が必要です。
私、実は中学と高校生のころに器械体操をやっていたのですが、その時に身につけた教訓として「練習でできないことが本番で出来ることはない」というのがあります。人はなんとなく「本番になったら火事場の馬鹿力で、実力の120%を発揮して普段できないことが出来る」とかドラマチックなこと考えたりしますが、多くの場合、本番では練習の8割〜9割位の力量しか発揮できません。また、そのように考えて日々コツコツ真面目に練習すべき、と思っています。公開でのテストフライトもこれと同じで、人様に見せるためには、同じ飛行場での、繰り返しの練習があってはじめて見せられると思っています。
(2)安全で良い環境として、「たきかわスカイパーク」がベストと思っています。
2013年から開始したジャンプ飛行は当初は千葉県の野田市スポーツ公園、関宿滑空場などで試験を行ってましたが、そのときは一年で25本くらいしか飛べていませんでした。これは東京近郊の滑空場の多くが利根川沿いに有り、梅雨の時期や台風の時期に冠水しやすく、冠水すると地面がぬかるんで長期間使えないこと、また現場に行っても強風で試験が出来ないことがたびたびあったこと、などが原因です。
その後の2014年以降は、たきかわスカイパークを早朝お借りして試験飛行を行っているのですが、北海道という遠隔地、また早朝のみの時間限定にも関わらず、効率は圧倒的に良くて、3年で130本ほど、ジャンプ飛行を繰り返すことが出来ました。また、たきかわスカイパークは滑走路、草地ともに広くて整備が行き届いており安全性も高く(これ、一番重要ですね)、公開する場所としては、今のところたきかわスカイパーク以外は考えていません。
(3)皆様に公開しやすい飛行場、というのがあります。たきかわスカイパークは、実はそういう場所です。
もう1点、関東にも滑空場や場外離着陸場はいくつかありますが、実はどこも駅からかなり遠く、車がないと行けない、という場所が多いのです。また河川敷の飛行場は日陰やトイレすらない、というケースもあります。いっぽうでホンダエアポートや龍ヶ崎飛行場などはトイレや休息する場所などはあるものの、貸し切りにすると、とても高いお金がかかったり、また安全上も観客を入れるにはやや難しいということもあります。
一方たきかわスカイパークは駅からのアクセスも良く、また公園やカフェやミュージアムが併設されているなど市民に飛行場が開かれており、とても綺麗な場所なので、この夏ここで公開するのが、お客さんにとっても一番素敵な体験になるだろう、というのが私の判断なのです。(関東や他の地方で今後飛ぶことがない、とまでは言いませんが、おそらく上記の理由で、公開にはしないと思います)
(4)安全第一、無事故で試験を終えたいので、目標を達成したら終了、のつもりなのです。
このプロジェクトの最終目標は「飛行場上空での、場周飛行」です。これに関しては、おそらく今夏、9月くらいに達成可能だと考えています。場周飛行も一回限りではなく、機体の基本性能を確認するために、また自身の慣熟のために数回は実施するつもりですが、場周飛行をやる場合は、より安全な気象条件のもとでのみ行うため、公開とはまた別途に考えています。そして、今年場周飛行を達成したら、その後の試験飛行の予定はまだ未定なので、「来年もやります」とは今のところちょっとお約束は出来ない感じなのです。
(航空局への許可申請とか、機体の移動とか、自身の移動とか、スタッフの移動とか、作業としてはそれなりに大変だったりとかもありまして…)
以上のことから、もしも試験飛行をご覧になりたい方は、「今夏、北海道のたきかわスカイパークが最後かも」ということを、頭の片隅に入れていただけますと幸いです。
(夏の北海道は素晴らしいですよ…そして滝川には美味しいジンギスカンもありますし…)