音戸渡船とわたし その④ 数田祐一さん
vol. 17 2020-12-10 0
音戸渡船とわたし その④ 数田祐一さん
音戸渡船を島に渡った先の音戸町引地地区。
渡船口から3分程度の場所にあるギャラリーカフェ 天仁庵 の店主で、明治時代から続く数田呉服店5代目の、数田祐一さん。音戸魅力化推進委員会の参加者でもあります。
「今回のクラウドファンディングで、音戸渡船がどれだけ全国の方に愛されとるかが分かったよ。コメントを読ませてもらったら、音戸のことを、すごく良いって言ってくれとる。周りから見て『価値がありますよ』と示された。これを、音戸の人にも伝えんにゃいけんね。ほんまに、やってよかったよね」
元々、2年前から音戸渡船のFacebookページを知人と立ち上げて、少しずつ渡船のことを紹介してきていました。音戸渡船への思いはあったものの、最近まで危機感は無く、クラウドファンディングの話にも最初はピンときていなかったそうです。
本当に大変だと知ったのは、2年前に音戸渡船組合の方から「このままでは無くなる」と話を聞いた時。
「それまでは地元が頑張ってた。何とか寄付を集めたり、地域で支える助成金をうまく使ったりしてね。『無くなる』って思ってなかったんよ」
その頃に、少しでもできることを、と始めたのがFacebookページ。本当に少しずつですが、更新を続けてきていました。
(2年前に家族で渡船でパシャリ)
そして、音戸渡船をどう残せば良いのか、今もずっと考えています。
「音戸渡船は“文化財”だと思うんよ。音戸の瀬戸の風物詩、ここにしかないもの。300年続いているもの。むしろ、何故、文化財に登録されて無いのか?と思いはじめた。音戸の瀬戸には無形登録文化財の『音戸の舟唄』がある。それと対になるのが『音戸渡船』。これは有形の文化財じゃないだろうか。歴史あるものに、ちゃんと価値があるって伝えないと」
数田さんが手がける天仁庵は、代々続く呉服店を、お父さんと共に改装して2012年にオープンした店舗。歴史あるものを継承して、次につなげること。その大変さを知っています。
大切に守られながら、新しい形でオープンした天仁庵は、今その名の通り、歴史や人をつなぐ拠点です。この場所で様々な縁が生まれ、新たなお店や、移住者が増えつつあります。
「天仁庵」の意味
「今回のクラウドファンディングの支援者の方のコメントを見ていると『形を変えて』というものが出てこない。今の音戸渡船が、皆好きなんだと思う。形を変えずに守る方法は、文化財としての価値に声をあげることなんじゃないか、と思う。地域だけ、呉市だけでなくて、国、日本の中で大切な価値あるものでは?と問いたい」
音戸渡船も、歴史を継承しながら、新しい価値を見出し、未来へとつなげていかなければなりません。
「音戸渡船のみらい基金」
多くの方に価値を教えていただいた、クラウドファンディング。
その価値を未来につなげていくのは、これからです!
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