古民家再生は、想定外の予算に悩まされる
vol. 48 2020-08-14 0
古民家再生をやってきて思ったのは、リスクが高いということだ。
だから、あまり普及しない理由も理解できた。
想定外の事態が発生して、予算が次々と積みあがってしまうのだ。収益性を前提にした場合、近隣相場、グレード感によって収益額を予想し、それに応じて初期投資の費用を見込む。新築であれば、問題ないのだが、古民家再生は、そうは問屋が卸さない。想定外が多すぎるからだ。
例えば、床を剥がして、始めて土台の痛み具合がわかり、補修にどの程度かける必要があるかがわかる。しかし、床を剥がすのは、購入して始めてできるわけで、内見の時点では誰もわからない。売り主さんでさえ。
だから、ある程度の予備費は必要になる。しかし、それも限界がある。
今回は、雨漏りが後から発覚した。事前に調査したのだが、見つからなかったからだ。結果、修繕費が大幅にかかり、工事を止めることになった。予備費では、まかなえない額だからだ。
他にも、蜂の巣が天井裏にあったが、幸い、移動した後だったので、面倒な駆除作業はなかった。あと、心配していたシロアリも発生したが、駆除業者を手配して、こっちは予備費で何とかなった。さらに近隣に聞くと、ムカデにも気を付けるように言われた。こっちのホームセンターでは、ムカデ防虫剤が販売されている。東京では見たことがなかったが。
雨漏り修理の見積もりが、かなり高い。屋根がかなり傷んでいた。手に負えない額となり、追加融資の話をあちこちの金融機関に相談したのだが、どこも断られ、万事休すとなっていた。そして5か月後、政策金融公庫から提案をいただいた。それは、パンの売上を入れたらどうだというもの。事業計画書では、多目的なシェアスペースの売上は、計上していなかったが、口頭で伝えていたパン製造の売上も加えれば、追加融資が可能だという。
ということで、やっとのこと、2020年の2月に工事が再開したのだったが…。