建物を減築して、古民家にしかない魅力を引き出す!
vol. 46 2020-08-11 0
残置物撤去が終わると、次にすることは、減築という作業だ。
これは、ほとんどの古民家に言えることだが、築100年ぐらいの建物であれば、その間、増改築をまったくしないということはありえない。居住者が、住み心地を良くするために、何かしら手が加わっている。
以前、神奈川県川崎市にある古民家の博物館を取材した際に、すべての建物を建築時の姿に戻したと言っていた。江戸時代の建物であっても、移築直前には、昭和40年代風になっていたそうだ。
今回のテーマは、古民家の持つ個性をきっちりと打ち出すことある。
そこで、天井と床を剥がす。
すると、天井裏には、太い柱や梁、さらに土壁が出てきた。
とても魅力的なフォルムだ。
しかし、どこかカビ臭さがある。
そこで、ヒバオイルを塗ることにした。これは、防虫効果が高く、ヒバの木の香りが心地よく広がる。青森ヒバで建てた住宅を訪ねたことがあるが、虫が全然でないと言っていた。
この古民家の魅力を、最大限に引き出す、アイディアを次々と考えるのだった。
やりながら、臨機応変に進めていくのも大切である。