瀬戸内海の離島の空き家問題が突きつけるもの
vol. 40 2020-07-28 0
「ひろしま里山ウェーブ」に参加して、瀬戸内海の離島では、空き家が加速度的に増えている現状を目の当たりにして、驚いた。話には聞いていたが、リアルさが重かった。重要伝統的建造物群保存地区のように、街並みに情緒があれば、生きる道はあるかもしれない。しかし、田舎だからと言って、そんなエリアばかりではないのだ。
いったい、どうすればいいのか思いつかない。これは、どこの離島も抱える問題だろう。部外者を寄せ付けない、ある種の誇りと諦観が満ちていて、まるで、生活と廃墟が同居するような「暮らしのマチュピチュ」が離島では展開されていた。
一方、音戸は、離島でありながら、よそ者の私が関わっても、ここなら何か貢献できるのではないかと感じる優しさがあった。そして、そこで思いついたのが、次の世代へ、古民家を引き継ぎ、日本の建築技術を保存することだった。地元の方々も、そんな私の気持ちを後押ししてくれたのだ。そして、古民家再生へと足を進めてみた。