"監督を助ける立場"からみた『こたつむり』とシンドウサヨ②
vol. 12 2016-04-15 0
こんにちは。助監督/広報をしております、村松と申します。
トップページにて本作の監督である新藤の人物像をご紹介していますが、
今回は少し掘り下げてみたいと思います。ほんの少しだけ、お付き合い願います。
第28回早稲田映画まつり グランプリ受賞時
まずは、私と新藤が出会ったきっかけ。
実は、私は新藤監督の前作『愉快じゃない』に出演で呼ばれて、そこで初めてお会いしました。
これは他スタッフたちにも驚かれるのですが、
つまり私と新藤は出会ってまだ1年しか経っていないのです。
今や、私と新藤は常に心も体もゼロ距離にいます。(変な意味ではないです。)
その1年で私が彼女についてわかったこと。
彼女は、”目紛しく、鬱陶しく、限りなく繊細な、女の子” である、ということです。
私が初めて新藤を知ったのは、第27回早稲田映画まつりにて監督作『染朝』を観た時に遡ります。
衝撃でした。
ここまで繊細で、心臓をねこじゃらしでくすぐってくるかのようなむず痒さを備えた映画を学生が、しかも同期が撮っているなんて…
そう思いました。本当に。少し大げさかも。
しかし、観終わった瞬間、映画に、彼女に魅了されていました。
その時より、私も彼女のファンの一人に過ぎません。
私はこれまで彼女にとって、兄のような存在だったように思います。
やっと最近、対等な立場にいる気がしています。
私が若返ったのか、彼女が大人になったのか。
ただ、今まで彼女の口から、論理的な発言を聞いたことはほぼありません。
決して頭が悪いわけでもありません。
しかし、彼女は常に感情の中で生きている子なのです。
これは彼女の最大の弱点であり、最高の魅力でもあります。
そんな彼女にとって、本作『こたつむり』は大の好物であるわけです。
「こたつむり」撮影中
こたつ×ファンタジー…、ナンダソレ。
ほとんどの方がそう思うと思います。
私も思いました。
まず、想像ができません。こたつとくっついて…ドウイウコト?
しかし、いざ撮影になると、確実にこれはおもしろい作品になると確信しました。
なんといっても、本当にこたつと女の子がくっついています。
見所はこたつだけではありません。
新藤は、人間模様や内なる感情を映画に写し込むことがとてもお上手です。
それは本作でも、存分に味わうことができます。
私も、現場でみていましたが、すでにそわそわしてしまいました。
女の子って複雑な生き物。
また、本作はとても多くの方に助けられています。
魅力的なキャストたちや、個性豊かなスタッフたち、ロケ地を提供してくださった分福さん、路上で撮影していたら突如手伝ってくれた不思議なラッパーさん、そしてクラウドファンディングで支援してくださっているまだ見ぬ応援者さんたち。
こういったことも、自主制作映画の醍醐味なのかもしれません。皆様には、とても感謝しています。
本当にありがとうございます。
CM『これだけは僕の必殺技。』第10回TOHOシネマズ学生映画祭 CM部門グランプリ受賞時 宇多丸さんと
私はこれほどまでに、芸術や感性の中での制作に恵まれている女の子はみたことがありませんでした。
そんな彼女のことを、私は皆様に知っていただきたいと切に願っています。
彼女の可能性はまだ未知です。どう転がっていくのかも、いま知れたことではありません。
しかし、彼女は必死に前に進もうと足掻いています。
彼女の成長を、一緒に見届けていただけないでしょうか。
ここまで長々と書いてきましたが、最後まで読んでいただいてありがとうございます。
どうぞ、よろしくお願いいたします。
●助監督/広報
村松 優翔(ムラマツユウト)
早稲田大学人間科学部4年。大学にて映画、PV、CMなどの映像制作を精力的に行う。また昨年は、ところざわ学生映画祭の立ち上げに参加し、昨年の第1回に続いて今年の第2回の実行委員長も務める。5月8日(日)に所沢西武8階ワルツホールにて開催予定。新藤監督作『染朝』も上映予定。最近は専門学校にも通い、3DCG、VRを専門的に学び、新たなメディア展開も模索中。
*制作歴*
(監督)映画『クライクライ』2013年制作 <<第26回早稲田映画まつり 短編企画『青』特別賞受賞>>
(監督)CM『新入りエネルギー』2013年制作 <<第8回TOHOシネマズ学生映画祭 CM部門上映作品>>
(監督)映画『ツクツクと帽子』2014年制作
(監督)映画『空の空と空』2015年制作 <<第1回ところざわ学生映画祭 奨励賞>>
(出演)映画『愉快じゃない』2015年制作 <<インディペンデント映画祭CINE DRIVE2016上映作品>>
(出演・編集)映画『ナガレテ、』2015年制作 <<第28回早稲田映画まつり 新人賞>>
(監督)CM『これだけは僕の必殺技。』2016年制作 <<第10回TOHOシネマズ学生映画祭 CM部門グランプリ受賞>>