LABOR DRESS STAGE EQUIPMENT 明石卓巳さんインタビュー
vol. 3 2018-06-10 0
「OGAL+ness」をデザインしてくださった、明石さんにインタビュー!
私たちの新ブランド「OGAL+ness」からリリースした3種のユニフォーム。これらはデニムユニフォームブランド「LABOR DRESS STAGE EQUIPMENT」とのコラボで実現したものです。
今回コラボしていただいたデニムユニフォームブランド「LABOR DRESS STAGE EQUIPMENT」を立ち上げられた明石卓巳さん。オガールのこれからに共感し、全身全霊でご協力いただいたLDSEさんの哲学を、デザインをご担当いただいた明石さんより伺いました!
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− 今回は、かっこいいユニフォームを製作いただきありがとうございました!早速ですが、今回オガールとコラボしていただいた「LABOR DRESS STAGE EQUIPMENT」というブランドは、どういう思いで立ち上げられたんでしょうか?
これまで様々な店舗のプロデュースやデザインに携わってきましたが、その中で「かっこいいユニフォームがない」ということが常に引っかかっていました。オリジナルで作ろうという場合も、ロゴマークをTシャツに入れるくらいが限界で、それはすごく勿体無いというか、残念なことだなと。
僕は仕事をしていく上で、「ストレスの払拭をビジネスにする」という発想を持っています。僕が感じてきたユニフォームのダメなところは「古くなると価値がなくなってしまう」ということ。安いものを買って、古くなったら使い捨てというふうに扱われているユニフォームのあり方を変えたいなとふつふつと思っていたんですよね。
「1年しかもたないものを1万円で買うのであれば、10年使えるものなら10万円で買うという選択肢もありうるよね」という話を周りの人たちにするようにしてみたら、その考え方に共感してくれる人が出はじめて。そういう人たちの反応を見て「ちょっと高くてもちゃんとストーリーがあるもの、こだわりの詰まったものを作って、価値がわかる人だけが買ってくれるユニフォームを作りたいな」と本気で思いはじめていた時に、オガールから「その気持ちはすごくわかる。共同開発でやろうよ!」という反応をもらえたことから、その思いがこうして実現することになりました。
なので、LDSEというブランドの立ち上げに踏み切ったのは、オガールとのコラボが決まったからなんです。だから今回、コラボネームという形で作らせてもらっています。オガールとコラボするという話が出ていなかったら、まだLDSEっていうブランドはできていなかったかもしれませんね。こういう経緯なので、今回製作したオガールのユニフォームがLDSEの第1弾となる商品ですし、OGAL+nessのアイテムは全て、オガールのために商品開発して製作したものです。
オガールメンバーに「着こなし講座」をするために、はるばる岡山からお越しいただいた明石さん&古賀さん。ベイカー前でおふたりをキャッチし、緊急インタビューを決行!コンセプトの深さに、プロジェクトチーム一同感動しっぱなし…直接お話を伺えて本当に良かった…!泣
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−オガールのユニフォームがLDSEでの第1弾だったんですね!ありがとうございます。今回はコート、ジャケット、エプロンの3種のアイテムを製作いただいていますが、ユニフォームをこの3種で作られることにしたのはどういう経緯だったんでしょうか?
最初から、ジャケットとエプロンは必須だなと思ってたんですよね。そこで僕が提案したのが「シャツのような、コックコートのようなジャケット」で、留め方や着方で領域を変えて使えるようなもの。なので、ジャケットはそのまま普段の羽織ものとしても使えますし、エプロンと組み合わせるとコックコートとして着れるデザインになっています。この2アイテムは、オガールのユニフォームをやることが決定してすぐに、製作することを決めました。
もうひとつのアイテム、デニムコートは「ショップコート」のようなものを作ってみたいなと思って提案したものなんです。ヨーロッパあたりでは、コーヒーを入れる人とかが、白衣のような感じでショップコートを着ていることが結構一般的なんですけど、日本のユニフォームブランドで作っているところは少ないんですよね。これをデニムで作って見たらイケてんじゃないかなと思って作ってみたのが、今回のデニムコートです。
もともとオガールで使ってもらうイメージから着想した3アイテムなので、例えば「ホテルマンの人たちがこういうのを着ていたらかっこいいな」とか、そういう想像をしながら製作しました。今後LDSEで作っていくアイテムは、職業名を冠したものにしてもいいんじゃないかなと思っていたりします。例えば、歯医者さんが着る「ドクタージャケット」とか。デニムという素材なので、使い込んでいくほどに、その職業ならではの味が出てくるんですよね。OGAL+nessのユニフォームも、着る人の働き方ならではの味が出るに従って、自分の職業に対する誇りが育っていくようなユニフォームになってくれるんじゃないかなと思います。
オガールのベーカリー「TheBAKER」前にてインタビュー。OGAL+nessのデニムコートを着用されていましたが、その着こなしぶりはさすがの格好よさ…!一緒にいらした古賀さんも、ジャケットがとってもよくお似合いでした。
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−どうやら、OGAL+nessのユニフォームの布地は、変態的布屋さん(笑)が織られたものを使用していただいていると聞いたんですが。詳しく教えていただけますか?
岡山県倉敷市の児島という「デニムの聖地」と言われているところがあるんですけど、その中でも特にブイブイ言わせている(笑)、COLLECTさんというところにお願いしています。彼らは、伝統的な技法を現代的にアレンジするような挑戦をしていて、「布オタクかお前ら!」って言いたくなるくらい面白い布を作っているんです。「縦横と横糸をこの色でこう組み合わせて織ると、布地が擦れるに連れて少しずつ中に使っている糸の色が出てきてこういう風合いが…」というところまで考えて作っている人たちで、彼らの話を聞いていると「そこまでいちいちこだわって製品を作っているなんてすげえな!」と思います。
今回OGAL+nessのユニフォームに使っているのは、彼らが「イチオシです!」と言ってきた「ミリタリーデニム」という名前の布地なんですけど、「ミリタリーデニムって何だよ??」ってなるネーミングでしょ(笑)。ぱっと見わかんないんですけど、横糸にカーキ色を使っていて、擦れてきたらその色が出てくるから、そういうネーミングになっているそうです。布地って縦糸と横糸が組み合わさったすごくシンプルなつくりでできているんですけど、その組み合わせやそこに込めるこだわりで何千、何万通りと作れるんですよね。多分、彼らはそういうことが楽しくてしょうがない集団なんでしょうね。
たくさんの「変態的布地」の中から選び抜かれた「ミリタリーデニム」!カーキの横糸を使っているので、裏地もシックな色合い。幅広い方に馴染むカラーリングになっています。
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こういう布地を使っているので、いろんな職種の人たちが着てくれたユニフォームが、数年後にはそれぞれどんな色の落ち方をしているのかを見るのが、僕の密かな楽しみなんです。同じジャケットでも、使い方によって全然落ち方が違ってくると思います。今この瞬間にいいものを作るということももちろん大事なんですけど、10年後にこのアイテムがどうなっているんだろう?どんな風に傷んでいくんだろう?という方に興味があるんですよね。自分がまちづくりの分野に関わっているからそうなのかもしれないんですけど、最近増えてきた「ファストファッションブランドよりも、安くていいものを作るぞ!」という考え方よりも、こういう10年後を楽しみにするような発想の方に惹かれます。
普通のデニムは裏返してお湯で洗うのが一番いいんですけど、ユニフォームって油ハネがあったり汗をかいたりするので、気にせずガンガン洗っちゃっていいです。干すときだけ、裏返して日陰で干すようにすると風合いが守られるかなと。直接日光を当てちゃうとカリッとした感じになってしまうのと、どうしても日焼けしたり亀裂が入っちゃったりするので、そこは気をつけてもらえるといいと思います。
「制服って一体何なんだろう?」ということを考えると、お客様に与える印象だったりとか、スタッフの誇りだったりとか、毎朝服装に悩まなくていい!とかいろんな意味があると思うんですけど、押さえるべきところさえ押さえていれば、全員が同じ服を同じ着こなしで着る必要ってないんですよね。いつものサイズ感にとらわれなくたっていい。そういう思い込みをなくせば、やれることって増えるんです。
今回このユニフォームブランドを作ることが出来て、自分が一番嬉しいなと思うのは、それを着てくれた人が「今より格好良くなる」ということ。どんな人も、着るとワンランク上がった感じになる。今回、オガールの皆さんにも「着こなし講座」をさせてもらいましたけど、人からスタイリングしてもらった服装って、客観的に見て素敵な服装ってことですよね。他の店舗でスタッフの着こなしをプロデュースした時には、「これ、俺に似合いますか?!」ってびっくりしていた人がこちらから勧めたアイテムに近い路線の服を私服でも着始めたり、髪型を変えてもらった人が最初は「恥ずかしいです…」と言っていたのにいつの間にか気に入っていたりして、そうやってプライベートまで格好よくなっていく様子を見ると嬉しいんです。服装を気にするということは、人に見られているという意識を持つということだから、自然と素敵になっていくんですよね。そういう姿を見ると、ユニフォームのブランドをやってよかったなぁという実感が湧きますね。
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− このユニフォームも、着る人と、サイズや着こなしによって全然印象が違いますよね。今日古賀さんが着ていらっしゃるのはジャケットのXLサイズなんですね!全然違う型のアイテムかと思ってました。人によって、ジャストサイズが全然違いますね。
ちっちゃく着ても、ジャストで着ても、大きく着るのもありですね。(OGAL+nessプロジェクトメンバー・工藤の着こなしを見て)そうやって、パーカーを合わせてもかわいいよね!それぞれの体型や好み、合わせる服装の雰囲気と合わせて、その人らしく格好良く着こなしてくれたら嬉しいです。
古賀さんが着ていらしたのは、なんとジャケットの「XLサイズ」。襟を後ろに抜いて、コートのように着ていらっしゃいました。かわいい…。こんな着方もあるんだなぁと、チーム一同目から鱗でした!!
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− ユニフォームを手に入れたオガールメンバー一同、格好良く着こなせるように日々研究していきたいと思います。
明石さん、インタビューにお付き合いいただきありがとうございました!