「フタバから遠く離れて」サンフランシスコでの上映&シンポジウム その2
vol. 7 2014-04-09 0
二日目は会場を変え、朝から晩まで「Reframing 3.11」と題したシンポジウム。
映画、写真、文学、演劇、マンガ、インターネットなどに311がどう表象されているのか、9人の研究者による発表とディスカッションが行われた。(詳細は末尾に)
共通の問題意識は、「311という三重災害(地震・津波・メルトダウン)を前に、我々はまだそれを語る言葉・表現を持っていないのではないか」という問い。
復興といえども、原発事故はまだ収束していないし、莫大な数の避難民が未だ放置されている。想定外という言葉があるが、(関東大震災など大地震の歴史もあ るので)100%前代未聞という訳ではなく、しかし、良く知っているタイプの災害では到底ない。日本という文明国がそんな大きな負の傷を追って停滞してし まっている、この311とはどんな事件だったのか、考え直そうと議論された。
しりあがり寿氏の漫画、Chim↑Pomのパフォーマンス、高橋源一郎氏の「恋する原発」など、311をアーティストが自分たちの表現として捉えようとしたものが紹介された。
前日上映された「フタバから遠く離れて」も全てのスピーカーに引用され、特にAkira Lippit 氏の発表「Problems of Displacement」は、個人の居場所を奪われることの意味を本作を通して問い直したもので、本質的な議論が掘り下げられたと思う。
米西海岸でも原発事故を自分たちのこととして捉え直そうという真摯な研究者や観客がいることを発見し、実りある機会だった。
以下、写真はこの日の映像日記。サンフランシスコのダウンタウンまで足を伸ばして散策してみた。(舩橋)
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<Reframing 3.11>
9:30am: Introductory Remarks — Alan Tansman
10:00am–11:20am: Panel 1 — Literature
• Japanese Literature after Fukushima: Between Protest and "Healing"
Lisette Gebhardt (Goethe University, Germany)
• Ecocriticism and Literature after Fukushima
Yuki Masami (Kanazawa University)
Moderator: Angela Yiu (Sophia University)
11:30am–12:50pm: Panel 2 — Performance and Media
• Letters, Quake, Media: Comparing 1923 with 2011
Jonathan Abel (Penn State University)
• The Daigo Fukuryu Maru as a Touchstone: From Gojira to Chim Pom
Aaron Kerner (San Francisco State University)
Moderator: Paul Roquet (Stanford University)
2:00pm–3:20pm: Panel 3 — Visual Culture I
• Disaster's Comic Affects: The Respresentational Crisis of 3.11
Mary Knighton (College of William and Mary)
• Fiction Film after Fukushima
Ryan Cook (Harvard University)
Moderator: Pat Noonan
3:30pm–4:50pm: Panel 4 — Visual Culture II
• The Work of the Visual in Mourning the Dead in Post-Tsunami Japan
David Slater (Sophia University)
• Photography's Catastrophe 3.11.11
Marilyn Ivy (Columbia University)
Moderator: Miryam Sas
5:00pm–6:30pm: Lecture
• The Place of Disaster: Fukushima and "3.11"
Akira Lippit (University of Southern California)
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【原発事故や避難の現状なども発信】
日本中、世界中のフタバを応援してくださる声と、映画をきっかけに原発についてちゃんと考えたいと思う人々、そして実際の原発避難を続けるフタバの住民。この3者をつなぐネットワークを作り上げたいと思います。
□全国各地で自主上映会がおこなわれています
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□DVD販売中
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