ちょっと物知りになれるRGB(光の三原色)とCMY(色の三原色)のお話し
vol. 8 2020-10-31 0
こんにちは、Nomura Studioです。
現代物理学や数学、異分野の研究者との交流・対話に着想を得ながら「高次元」を対象とする作品を生み出してきた野村なのですが、それゆえに鑑賞者からすると、作品に取っ付きにくさを感じることも多いと思います。
そこで、本日は野村の制作活動を、より楽しんでいただけるように、制作の進捗と合わせて、ちょっと物知りになれるRGB(光の三原色)とCMY(色の三原色)のお話しをしたいと思います。
(参考:意外と知らない RGBとCMYの話 http://yokoyamatakashi.com/archives/1306)
ハーフミラーと照明装置を組み合わせて制作されるPion(パイオン)にとって、RGB、CMYの選定は、アーティストも力が入る所です。そもそも、RGB(光の三原色)とCMY(色の三原色)とは何なのか、お話ししたいと思います。
まずは、RGBについてです。
RGB(光の三原色/加法混色)
光の三原色とは、赤(Red)緑(Green)青(Blue)のことです。お察しの通りRGBは、それぞれの色のイニシャルからきています。
この3色の色の掛け合わせの比率を変えることで色を表現しているのが、皆様がデジカメで使うJPEGなどのRGBデータです。
RGB画像は色と色が重なった部分(掛け合わせた部分)では明るくなり、3色が全て重なると白になることから「加法混色」と呼ばれていてます。RGB画像を表示できるのは、液晶モニターやプロジェクターです。
たとえば、(R255, G0, B0)の設定の場合、液晶モニターでは、最大に赤の鮮やかさが表示されます。
255というこの中途半端数字は何なのか。色を作るときは百分率(パーセント)を使うことはぜず、コンピュータで処理のしやすい8の倍数で表すのが慣例となっています。各色0~255の256段階で構成されます。
そして、次にCMYについてです。
CMY(色の三原色/減法混色)
色の三原色とは、シアン(Cyan)マゼンタ(Magenta)黄色(Yellow)のことです。
補足ですが、黒を含めCMYKとされる場合もあります。
Kとは、Kuroなの?はたまたBlackなの?この流れから湧き出るシンプルな疑問ですが、Kの由来は、Key Plate(キープレート)の頭文字から来ていると言われています。(参考:印刷を楽しむブログ https://www.yoshimurainsatu.co.jp/blog/?p=271)
CMY画像は色と色が重なった部分では暗くなり、理論的には、3色が全て重なると黒になることから「減法混色」と呼ばれていてます。CMY画像を表示できるのは、インクなどを使用した印刷物です。
そして、ここからは、野村の得意とする色の科学の領域なのですが、色が2色重なった部分に注目してみると、RGB(光の三原色)で2色の色が重なった部分を見るとCYM(色の三原色)の色をしています。
RGB(光の三原色)
対照的に、CYM(色の三原色)で2色の色が重なった部分を見るとRGB(光の三原色)の色をしています。
CYM(色の三原色)
RGBとCMYのこの現象、不思議ですね。深いです。
これらの色は数値で表すことができ、数学と結びついたことから、色彩工学/カラーサイエンスとしても知られています。
パイオンの制作も、これら色彩工学をふんだんに取り入れて制作されています。
設営3日目となったこの日は、まさにこのRGBとCMYの現象を利用した空間演出の作業が行われました。
異なる方向からの光を別の方向へ反射するパイオンの性質と、作品の没入感を演出する目的で、空間もRGB-CMYの6色で分割されています。
米国大統領選挙で、ニューヨークもざわついて参りました。11月3日の選挙日と同日にスタートする個展に、野村陣営も緊張が高まっております。
次回は、ついにギャラリーに到着したパイオン設置の様子について、お届けいたします。
(つづきます♪)