登り窯の魅力
vol. 2 2022-07-25 0
アップデートの2回目は登り窯についてお話したいと思います。
陶芸で使われる窯は大きく分けると薪窯、灯油窯、ガス窯、電気窯があり、今回のプロジェクトで使用する登り窯は薪窯の一種です。
電気窯は温度管理がしやすく、時間と温度を調節しながら狙い通りの発色や焼きを再現するのに適しているため、主に釉薬をかけた作品を焼くために使われます。ガス窯、灯油窯は電気窯よりも温度の調整が難しいため均一には焼けませんが、それが趣でもあります。
一方薪窯は、釉薬をかけた作品にも、釉薬をかけず土の風合いを生かす作品(焼締め)にも使われます。窯の中で薪の灰により偶然生まれる景色「自然釉」を楽しめるのはこの薪窯だけです。 場所も時間もお金もかかり、思い描いた通りの発色や焼きを再現するのも困難ですが、時には人の想像をはるかに超えた景色を見せてくれることがあり、それが他の窯にはかえ難い薪窯の醍醐味です。
薪窯の中でも、登り窯はいくつもの部屋が連なる構造なので、部屋によって空気や炎の流れ、温度の上がり方や灰の融け方が違い、部屋の数だけ個性があると言えます。
52部屋からなる私たちの窯では一体どんな作品が生まれるのか、やってみることでしか、まだ見ぬ景色との一期一会は実現しません。
レンガで積み上げ築窯する様子
この世界最長の登り窯は、完成するまでに数えきれないほどの方々の協力や支援をいただきました。今回の火入れに向け、一人でも多くの方がこのプロジェクトに興味を持っていただけるよう、引き続きご支援やSNSでのシェアによる応援をよろしくお願いいたします!
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