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原一男によるnew「CINEMA塾」をクラウドファンディングで実現!

『ゆきゆきて、神軍』原一男によるnew「CINEMA塾」にご支援をお願いします!

『ゆきゆきて、神軍』の原一男監督によるnew「CINEMA塾」講座、開講!最高のセルフ・ドキュメンタリスト達が結集した怒涛のドキュメンタリー講座に資金援助をお願いします!

FUNDED

このプロジェクトは、2014年8月10日00:00に終了しました。

コレクター
17
現在までに集まった金額
127,000
残り日数
0

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このプロジェクトは、2014年8月10日00:00に終了しました。

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『ゆきゆきて、神軍』原一男による new「CINEMA塾」講座 開塾!!!  私、映画監督の原一男です。この春、4月から、東京アテネ・フランセで、new「CINEMA塾」を開塾いたします。テーマを、極私の系譜“映像の中の欲望たち”を掲げています。 『アテネ・フランセ「CINEMA塾」』開塾から18年の時を経て、再びアテネ・フランセにてnew「CINEMA塾」を4月から開講します。登壇者の謝礼と海外からの招聘経費にご協力下さい!

このプロジェクトについて

『ゆきゆきて、神軍』の原一男監督によるnew「CINEMA塾」講座、開講!最高のセルフ・ドキュメンタリスト達が結集した怒涛のドキュメンタリー講座に資金援助をお願いします!

「いまだからこそ、セルフをとりあげたい!」

— 原一男、セルフドキュメンタリー制作の出発 —
1974年、私(たち)は『極私的エロス・恋歌1974』を制作しました。公開当時、“究極の私映画”として評判になりました。私の結婚した相手の女性が主人公ですが、私自身と、私の関係者である、最初の妻と二番目の妻になる女性との三角関係を描いたものです。“私映画”という表現にあるとおり、今ではセルフドキュメンタリーという表現が一般的になっていますが、まさに、セルフな世界です。制作の中では、こんな映画…つまり、自分自身の三角関係という全くプライベートな内容を他人が見て、オモシロイと思ってくれるなど想像できなかった…作る価値があるのだろうか?と不安で仕方ありませんでした。時代は、全共闘運動が盛り上がり、世界に革命が起きるかも知れない、という激動のまっただ中。その中で、己はいかに生きるべきか?と懸命に考えていた青春の時期でした。

その頃、夢中で見たドキュメンタリーは、小川プロダクション『三里塚シリーズ』、土本典昭『水俣シリーズ』でした。この二つのシリーズは、公開されるや多くの人たちが広い会場を埋め尽くすほどの人気でした。私は個人的には、田原総一朗のドキュメンタリー『青春』に夢中になっていました。そして秘かに「いつかドキュメンタリーを作ってみたい」という気持ちが芽生えていました。実際に私がドキュメンタリーを作り出すのは、20代半ばになってからですが、この時見たドキュメンタリーが大きな影響を与えたことは否めません。ですが、作り方において、先人の方法論をそのまま受け継ぐ、と考えたわけではありません。むしろ逆で、先人と同じ方法ではなく、越える方法はなにか?と一所懸命に考えたわけです。その結論が、『三里塚』『水俣』のシリーズが運動の映画であるとしたら私は、運動に加わろうと“逡巡する個人”を描きたい、と考えました。逡巡の中にこそ、社会が個人に及ぼす影響のありようが透けて見えるハズだ、と考えたからです。ましてや革命に加わろうとするならば、革命を支えるべく強い個人が大勢参加しなければ、革命が強くならないのが道理。したがって強くなりたいが、しかし強くなろうとするからこそ弱さが露わになるのも人であればこそ、そんな実感も私の中にあって、私は、個人を描く方法を模索しようと決意しました。
セルフドキュメンタリーを映画史的にフォローすると『極私的エロス・恋歌1974』が、その祖であるとは言えませんが、セルフドキュメンタリーの存在と、面白さを広く知らしめたという点において、意味を持ったであろうと私は考えています。そして、“私自身の手で私の(家族の)状況を描く、というセルフの手法が広く受け入れられていった歴史“を、私たちは持っています。

new「CINEMA塾」開講趣旨

今回の new「CINEMA塾」講座では、このセルフという手法で描かれた作品を集めて、それらの作家を招いて、様々な角度から論じてみようと考えています。
私は、自分がセルフドキュメンタリーを作ったからセルフを論じる、と発想したわけではありません。セルフにこだわるその深層を探ってみたいのです。セルフとは、「自我の謂いである」と考えています。自我、つまり、まさに戦後民主主義の下で育った私は、この自我というキーワード抜きに、自我の形成など果たせるハズもなく、自分の思考のベースには必ず、この自我を意識します。自我=自意識と言い換えますと、私は、物心ついて以来、この自意識の過剰さに悩んできたといえます。この過剰な自意識が、様々な状況下で、様々な現れ方をしてきます。ある時には、コンプレックス、あるときには、卑屈になり、ある時には、妙な自信からくる自惚れであったり、そしてこの様々な立ち現れ方をする自意識を、表現衝動のエネルギーに変換して作品を作ってきたのだと思います。
この講座に登場する監督達も、それぞれが、強力な自意識と衝動を持って、作品を作り上げてきたはずである。その彼らの衝動の深層を、より深く濃く、探っていくことを目的としています。

~プログラム~

会場:アテネ・フランセ四階講堂
日時:2014年4月26日(土)~毎月1回、第4土曜日を原則としています。
12:00〜18:00(毎回6時間)上映、討論、質疑応答
“公式サイト(http://newcinemajuku.net/)”
Email: info@cinemajuku.net

ゲスト

河瀬直美(かわせ・なおみ)
奈良市生まれ。劇場映画デビュー作「萌の朱雀」でカンヌ国際映画祭新人監督賞を史上最年少受賞。「殯の森」は2007年カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞。ほか、制作多数。

森達也(もり・たつや)
1998年、オウム真理教の荒木浩を主人公とするドキュメンタリー映画『A』を公開。現在は執筆が中心。近著に、『A3』(集英社インターナショナル)、『僕のお父さんは東電社員です』(現代書館)、『311を撮る』(岩波書店/共著)などがある。

平野勝之(ひらの・かつゆき)
2011年、AV女優林由美香の死と自分を題材とした映画作品『監督失格』を製作。ほかに『白 THE WHITE』など。AVを中心として、衝撃的な作品を次々と制作している。

松江哲明(まつえ・てつあき)
1999年『あんにょんキムチ』でデビュー。『ライブテープ』『トーキョードリフター』『フラッシュバックメモリーズ 3D』など、受賞多数。若者を中心に人気を集める。

…ゲスト、ほか多数

皆さんにご支援をお願いしたい理由

自我=個=私、言い方は様々ですが、民主主義を支えるには、個の確立がかかせません。戦後という時間のなかで、日本の個のありようが、どんなふうに変わっていったのか?を検証するために、可能な限り多くの作品を集めようと考えました。国内のみならず、海外からも作品=作家を呼ぼうと考えました。国内の作家たちの交渉は、皆さん、出演を快諾していただいて、順調に進みました。ただ、作家たちの出演料、そして作品の上映料に関しては、全体の経費を抑えるために、皆さんには、かなり低い額で了解していただきました。

でも、アメリカ、中国、イスラエルなど、海外からのゲストを招聘しようとすると、経費が跳ね上がります。さりとて、クオリティを落としたくないし、講座の内容を充実させるためには、どう低く押さえても最低限の経費がかかってきます。それぞれの作家たちと交渉する作業と並行して、経費の計算を何度も試算してみました。受講料をいくらにするのか?できるだけ安く設定したいのですが、原則、入場料だけでまかなう、という基本的な態度で進めてきました。それでも、どう計算してみても無理であるということが判明し、助成金を受けないと実現できない現実を受け止め、覚悟を決めるのに、強い葛藤がありました。映画作りの現場においては、私は自主制作自主上映で、これまでやってきています。したがって、このような講座でも、私自身の責任においてやるべきである、という態度が基本であるとは思っています。が、現実的には、9年前から「水俣病の現在」についてカメラを回し続け、さらに「泉南アスベスト国家賠償訴訟」に関わってカメラを回し始めて6年。2件の社会派ドキュメンタリーの取材・撮影を今日まで継続していますが、これもまた自主制作。私だけの力では、どうにもならない現実がありました。もしご支援が受けられるなら、上映料とゲストたちへの出演料を、もう少しアップし、海外からのゲスト招聘の経費を捻出したい—そんなときに知ったのが「独立映画鍋」という存在でした。

インディペンデントであること

「自分の意志を貫こうとするインディペンデント・フィルムメーカーの熱意と、彼ら彼女らの貧困に耐え忍ぶ精神力が、日本の映画が押しやられて行くこの状況を、かろうじて食い止めています。しかし、その熱意と精神力にも限界があります。自分の生活、あるいは人生を犠牲にして一本の映画を作り上げるということは、決して美談ではなく、文化の貧困です。映画の多様性を確保する為には、一個人の忍耐力に頼るのではなく、公共的なサポートが必要なのです。」—これが、独立映画鍋の設立趣旨です。今回は、映画制作それ自体ではなく、映画制作に関する学習のためのイベントです。学習であるからこそ、多くの観客に、共有して欲しいと願っています。こうしたサポートシステムは、文字通り、インディペンデント・フィルムメーカーの一人である私(たち)には、心強く、ありがたいです。

現在、いくつかの助成金を申請していますが、実際にはなかなか、こうした支援を受けることは簡単ではないのが実情です(注1)。今回のイベントに集う作家たちが、さらなるパワーアップを図るための、この講座に、是非ともご支援して頂けるとこの上ない喜びです。

(注1:アサヒグループ芸術財団、朝日新聞文化財団芸術活動助成、野村財団美術部門の助成金に現在申請中です。)

あくまで、この講座は作家を目指す若者たち、のみならず、ドキュメンタリーを「学びたい」と思う全ての人々のために、登壇者の方々には格安でお願いをしているという背景があります。

日本のドキュメンタリーの未来の為に、より良質なドキュメンタリー作家、評論家、および観客の育成を目指し、心有る人々から、寄付をお願いしたいというのが私の願いなのです。

また、うまく資金が集まらなかった場合、こういう講座の企画には付き物ではあるが、
赤字分を自腹、ということになる。とすると、私が現在抱えている企画はもちろん、頓挫し、完成の目処は消えるでしょうし、このnew「CINEMA塾」に登壇していただく監督、デザイナー、事務局、ほかこの企画に協力してもらった全ての人々に「ほとんどタダ同然の働き」をしてもらうということになるわけです。

私としては、未来の映画界の為に自分が企画した講座によって、自分も、自分の周りの沢山の人たちにも、犠牲を背負わせるということは、なんとしても避けたいというのが本心です。

以前の「CINEMA塾」と、いまのセルフ事情

今回の講座を行う場所は、アテネ・フランセ。1997年にも、ここで「CINEMA塾」をやりました。この時のテーマは、「ドキュメンタリーとフィクションのボーダーを越える」でした。講師には、大島渚、今村昌平、新藤兼人、大先輩のこの3人の監督は亡くなられました。ほかには、篠田正浩、田原総一朗、小川プロダクションの面々という豪華な顔ぶれでした。18年たって、私は、ドキュメンタリーとはなんだろうか?という本質的な問題について、改めて勉強をしたくなりました。そこで、今回のテーマは、セルフドキュメンタリーをとりあげたいのです。

近年、日本映画界で目覚ましい活躍をとげている監督たちの中には、処女作がセルフドキュメンタリーである、いわゆるセルフ出身の監督たち、という人々が存在するのです。

河瀬直美監督、ヤンヨンヒ監督、松江哲明監督、砂田麻美監督、いずれも、いまの映画界で新しい時代を担う監督たちです。更に言えば、国際的な映画祭シーンにおいても、セルフドキュメンタリーでのコンペティション参加、という海外のドキュメンタリー監督たちの数は、決して少なくありません。むしろ、年々、増加の傾向にあるようにすら感じるのです。昨年、審査員をつとめました「山形国際ドキュメンタリー映画祭2013」におきましても、インターナショナル・コンペティションの部門ですと15本中4本、アジア千波万波部門ですと19本中4本、単純計算をして、4〜5本に一本はセルフ、という計算になるわけです。これは、私の若い時代に比べれば、驚異的な数であると言えるでしょう。たとえばさらに、『極私的エロス・恋歌1974』を発表して以来、その熱は中国にも飛び火し、この作品を見た若者たちが、次々とセルフドキュメンタリーを制作しているという状況もあるようです。

やはり、戦後民主主義のなかで、何かを表現したい、という思いを持った時にまず、掘り下げなければ、と思うのが、この「表現したいという欲望をもつ『わたくし』」なのであり、そこを徹底的に見つめるという作業から次の表現を目指す、というのは、表現欲求を持つ現代の作家たちにとっては、あるいは、自然な流れなのかもしれません。

セルフドキュメンタリーへの意識・目的

私たちの場合は、先に書いたように、私を強く、鍛えるために、自分の弱さと闘うという態度でした。が、今どきの若者たちは、どうも自分の存在自体に自信がもてない、その彼や彼女の背後には、家族の存在が大きい。そしてその家族という存在が、壊れてしまっているか、壊れかけているか、具体的にいうと父親と母親という男女の関係がうまくいかず、離婚しているか、同居してても、家庭内別居状態、そんな中で子どもである当の若者が親から(特に母親から)十分な愛情を得られているという実感がもてずに、心の中に空虚感があふれ、十代の成長期にすでに生きるという前向きなエネルギーを育てきれず、無為に過ごしてしまう、そんな若者がセルフという手法を選ぶと、まず、自分自身の生存の理由の確認をしたい、ということで、家族が、なぜ壊れてしまったのか?を追求しようとします

そのプロセスの中で親が我が子の空虚感に気づき、謝ることになったり、互いの愛情を確認し合う、ということになったり、私などが彼らの作品をみると、痛ましい、いじらしい、という感じを持ってしまいます。ともあれ、彼らにとっては、自らの“引け目”をまず回復しない限り、スタート台にすら立てない、という実感を持っているのだと思います。そんな若者たちが、ある時期、彼らの新作のほとんどがセルフ、という状況があり、さすがに、今どきの若者たちはセルフしか作れないのか?と飽きられたことがありました。でも、彼らの置かれている状況がそれほどまでに抑圧されているのか、という認識が共有されていったとき、セルフという手法が、日本の若者たちの鬱屈した状況を描く方法、という狭義の受け止め方から解放されて一気に、エンターテイメントとして描くために、新しい世界を提示しうる可能性を秘めた方法へと変化していったのだと、私には思えるのです

駆け足でセルフドキュメンタリーにおける変化をスケッチしてきましたが、今回は、その変化の様子が俯瞰できるように作品を選びました。「ドキュメンタリーは裏話にこそ真実が秘められている」これは常々私が言っていることです。また、今回のテーマは、戦後民主主義における〈私〉という自我の意識の変容を追跡してみたい、という欲求でもあります。今、心ある多くの人たちが、この国の民主主義の未来に危機感を抱いています。私も、危機感を覚えている一人です。セルフドキュメンタリーを単に手法を論じたい、という観点から、今回の企画を思いついたわけではなく、むしろ、民主主義を担うためにこそ求められる〈個の確立〉が、戦後史のプロセスの中でいかに根付いたのか?あるいは、根付かなかったのか?という観点で検証したいのです。今回のイベントに集う作家たちが、さらなるパワーアップを図るためのこの講座を、是非ともご支援して頂くことが出来るなら、この上ない喜びです。

この内容を実現しようとすると、経費も観客の入場料だけでは、ちょっとだけ足りません。この企画に賛同していただけたなら、ご援助を、ぜひともよろしくお願いいたします!!!

原一男/映画監督 プロフィール

1945年山口県生まれ。東京綜合写真専門学校中退。71年、田原総一郎作品『日本の花嫁』に制作アシスタント兼 リポーター役で出演。72年、小林佐智子(現夫人)と共に疾走プロダクションを設立。同年ドキュメンタリー映画『さようならCP』で監督デビュー。74年、『極私的エロス・恋歌1974』発表後、撮影助手、助監督を経て、87年、『ゆきゆきて、神軍』を発表。日本映画監督協会新人賞、ベルリン映画祭カリガリ賞、パリ国際ドキュメンタリー映画祭グランプリ受賞。94年『全身小説家』キネマ旬報ベストテン日本映画第1位。06年より大阪芸術大学映像学科教授。

必要資金の概要

目標金額: 800,000円

1,チラシ、WEBデザイナー謝礼金:90,000円

参加ゲスト謝礼金:280,000円
内訳:
10,000円×28名=280,000円
*現時点での謝礼金額に、それぞれ上乗せしていく予定です。

3,海外ゲスト監督来日渡航費(アメリカ/イスラエル/中国)(各往復1回):430,000円
内訳:
キム・ジナ監督 ボストン国際空港〜成田国際空港往復+ホテル宿泊費 150,000円(概算)
アヴィ・モグラビ監督 テルアビブ国際空港〜成田国際空港往復+ホテル宿泊費 20,0000円(概算)
ウー・ウェンガン監督/ジャン・モンチー監督 北京空港〜成田国際空港往復+ホテル宿泊費 80,000円(概算)

セルフを通して探るnew「CINEMA」の魂

こうして、長々と大「演説」ふうなことを書いてしまいましたが、この講座をすることで、どんな結果を目指しているのか?何の為になるのか?実際には、私には分かりません。総勢、29名もの人々に、出演交渉をした際にも、何度か、そのことについては質問を頂いてきたわけではあるのですが、私としては、その質問に答える言葉は持っていないのです。いや、いい加減にやろうということでは、もちろんありません。むしろ、「どうなるか分からないからこそ、やってみるんである」という気持ちで、やってみたいのです。やってみたら、どうなるのか?というその疑問に、自分で答えを見つける為に、いままで、数々の作品づくりや、過去の「CINEMA」塾をやってきたという我々のスタイルがあるということです。ドキュメンタリーの取材においても、相手との討論にしてみても、一発本番勝負に全てを懸ける、ということにおいては同じですから、その、どうなるか分からないことが面白い、ワクワクする、という気持ちに共感して、熱い気持ちを共有して頂けたのなら、そしていくばくかの支援をいただけたなら、これほど嬉しいことは無いのです。
私は、主催者として第一回を担当するのですが、今回は『極私的エロス・恋歌1974』を上映、討論するに当たり、当時の妻であった武田を呼びたいと考えておりました。残念ながら、それは事情により叶わなかったのですが、今、息子である零、あるいは、作中で出産される遊ちゃんを呼びたいと思い、目下交渉中です。私は、彼らを、ただ自分のエゴや楽しみのために、人前に連れ出したい、と思っているわけではありません。彼らとは、日頃から親しく行き交いがあるわけではないのです。映画を作っているという事情、生き方の違いもあり、今まで連絡を取らない時間のほうが長かったと思います。普段、慌ただしく、日常の制作をこなすなかで、会いたいか?と言われると、そうなかなか簡単にイエス、とは答えにくいのですが、じゃあそのままでいいのか、と思うと、やはりこうしたプライベートな作品をつくり、世に送り出してしまった人間としては、節目節目に、きちんと向き合ってみたい、むしろ向き合っておくべきなのではないかという気持ちがどこかにはあるのです。
きっと世の父親たちのように、ごく普通に、飯でも食おうとためらわずに言えたらよいのでしょうが、私にはどうも、それが簡単にはできないようです。
やはり、何年経っても、私は表現という場で、表現を叩き台にしながら相手と向き合っている時が、一番素直に相手と触れ合えるのではないかと思っているのです。

これから交渉がどう転ぶかは分かりませんし、出演が叶った時には、どんなことを言われるのか?というためらいも、感じています。怖いか、怖くないかで言えば、やはりどこかに、少しですが、怖い気持ちは、あります。それでも、それでもやはり「わからないからこそ、やってみるんである」の精神でやってみたいのです。
いつでも、わからないことに、期待をもって、飛び込んでいきたいのです。
どうか、ご助力いただけたなら、幸いです。

ここまで長々と、最後まで読んで頂き、まことに感謝いたします。
どうぞ、あなたのアクションを、お待ちしております。

原一男

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原一男によるnew「CINEMA塾」は、独立映画鍋メンバーのプロジェクトです。
独立映画鍋
は多様な映画を支え育む為に活動しているNPOです

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    • new「CINEMA塾」、OSAKA「CINEMA塾」議事録一部抜粋レポート
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    • ゲストとの食事会参加権 飲食代別(ゲストの体調により、原一男監督+メインスタッフとの会食になる可能性があります)
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