応援コメント HMD弘前 竹森朝子さん
vol. 23 2025-03-06 0
HMD弘前の竹森朝子さんより、思い出の詰まった応援コメントをいただきました。
素敵な文章、ありがとうございます!
「ホームムービーの日」は 2003年に始まった、世界40都市以上同時開催の国際的なイベントで、過去のメディアとして忘れられつつある「フィルム」の強さや美しさを再確認し、その保存の大切さを訴えるものです。
HMD弘前は2006年、弘前市での「ホームムービーの日」開催のために設立されました。
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弘前生まれの私は、地元のラジオ番組の影響で中学生くらいから市内外の映画館に通うようになりました。記憶がおぼろですが、シネマディクト(以下、ディクト)のことを知ったのは、弘前にかつてあったミニシアター、マリオン劇場のロビーだったと思います。開館のチラシか、劇場のコミュニケノート(=観た映画のことなど書けるノート)に書かれていたのを読んだか…
最初にディクトで観た映画が何だったか、モウロクした自分には思い出しようもないのですが…頻繁にではないですがディクトに通うなか、自分にとっての大事件は「『幕末太陽傳』上映」でした…
高校生の折たまたま見たテレビ番組で、監督の川島雄三のこと、『幕末太陽傳』という作品と川島が考えていたラストシーンを知り、猛烈に「観たい!!」と思ったいたのでした…(観たこともないのに高校卒業時の冊子に、学校生活のことでなくこの映画のこと書いたくらいです)。
上映は一度きりでなかったはずです。大きな声では言えませんが、ものすごく遅刻して入れていただいたこともありました(その節は有難うございます…)。結果、「『幕末太陽傳』って後半だけ観るとこんなに陰鬱でせつないのか…」と大号泣…。ディクトでいろんな映画を観ましたが、この体験だけでこの先も生きていける、頑張れる、と思いました。
ディクトの2つのシアター、ノワールのスクリーンはどう考えてもルージュより小さいはずなのに、映画観てるうちにでかくなってる気がするのも不思議です…(絶対でかくなってます)。時間とお金があればディクト内ではしごできるのも嬉しいです。そういう映画館が、まちなかにあり続けてきたということが、とても有難いです(ものすごく、ものすごく、大変なことですから…)。
こんな、ただのイチ映画好きですが、ディクトが、映画館としても、集いの場としても、何かのきっかけになる場としても、存続できますように、と願います。勝手ながら、ここに住む、若い方々のためにも…
何卒よろしくお願いいたします!
以上、「自分で時間を作って何かするのが得意ではなく、あまたの名作がソフト化や配信されているにも関わらず、決まった時間に上映してくださる映画館でないと映画が観られない」竹森でした…
※写真のイラストは、大好きな映画監督・井口奈己さんの映画上映で参加した、タビラコという素敵なカフェの「文化祭」で、画家の山口一郎さんに描いていただいたものです。
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