上映報告会と新たな一歩
vol. 48 2022-05-23 0
5月15日に開催された「記録上映と成果発表の会」のご報告
中津江ホール〈春の祭典〉さようなら・こんにちは・未来へ(2022年3月20日(日)・21日(月祝)開催済み)の「記録上映と成果発表の会」につきましては、2022年5月15日(日)に日田市複合文化施設アオーゼの多目的ホールで開催したところ、おかげさまで盛会となりました。ご来場いただいた皆様、そして関係各位の皆様に感謝申し上げます。
当日はコロナ禍対策で限定のうえ用意した70席もほぼ埋まり、ウエルカムミニコンサートや、映像上映、トークセッションなど充実した内容で、盛り上がりました。
16時スタートの少し前から、日田市の音楽家である江島千由紀さんのフルートとギターのはっちゃんこと初山吉己さんとのデュオ、そして日田ギターアンサンブル6名の方々による演奏が始まり、場の空気が和みます。
その後、司会の石井美雪さんの進行で、共同代表である宇野公是(ひろし)さんの挨拶から始まります。その中で、先日市長にお礼に伺ったときに、市長から「最後にこのようなイベントをしてくれたことに感謝する」との言葉があったと語られました。
続いて、2日間で17時間に及んだ<春の祭典>を、45分にまとめた映像を上映しました。
出演者から、中津江ホールへの哀惜や感謝の言葉がたくさんあったことも印象的でした。
また、「ゴールドピアニスト演奏会」では、中津江村在住の80歳を超えた古老の方から「この家(ホール)が無くなるのは、涙が出ます」とおっしゃっていたのが胸を打ちます。
長らく専門家として伴走してきた藤原惠洋さんの講演映像では、中山間地域の高齢者施設やこども園の建設のため中津江ホールがやむなく解体に追い込まれた経緯が語られ、最後に、中津江ホールには台風被害で倒れた津江神社のご神木も飾られているため、解体する際には重機で一気にといった荒々しい方法ではなく、せめて部材を希望者に分配するといった配慮を望む、との要望もありました。
中津江ホール〈春の祭典〉は、コロナ禍での感染防止対策を万全に行う中での開催にも関わらず、2日間で延べ400名にも及ぶ方々によってホールの魅力が共感され、交流の広場として祝福されました。
映像で改めて春の祭典を振り返り、全国の支援者から応援していただく中、日田市民の工夫次第で、こんなイベントが開催できたことに驚きます。
続くトークセッションでは、実行委員のメンバーや来場者の方から意見が交わされました。
いまだにホールの存続を望む声は多く、さまざまな住民の声を拾い上げることなく、行政内部の密室協議や代表者会議といった一部の人だけで物事を決定していく行政のやり方を見直すべき等の声が上がる中、春の祭典を見落としていたので、本発表会にわざわざ来場したという中津江村の方から「ホールを壊さず、一般に貸し出すこともできるのでは」という意見が出され、それに答える形で専門的見地からは藤原さんが、最初から解体を前提にするのではなく積極的な活用をめざすには数々の工夫が可能だ、そのひとつに「サウンディング」という方法があることも紹介されました。
これは、市有地などの活用方法について、公募により民間から広く意見や提案を求め、民間と市との直接の意見交換を行いながら最適な方法を探る新しい手法で、全国の自治体に広がっているものだそうです。
多くの日田市民や全国のご支援者のみなさまにホールの存在と魅力を伝えてきた中津江ホール<春の祭典>は、これで一旦区切りをつけ、ご支援いただいた皆様へのメールも最後とさせていただきますが、市民がみずから考えみずから生み出したこの祭典は、日田市の市民主体のまちづくりの機運を高めることに貢献できたのではと思います。
本来、日田市には自治及び市政運営の最高規範と位置づけられた日田市自治基本条例があり、誰もがまちづくりへ積極的に参加できる市民参画や市民協働が促されてきたのですが、本実行委員会が呼びかけて実施した〈春の祭典〉が新たなきっかけとなり、新しい市民活動が生み出されています。
津江地区在住の実行委員として共同代表をつとめた宮成英昭さんは、今後新たな施設整備が進む高齢者福祉施設や教育施設の計画へ向け、建物やハコモノだけで話を進めず、人口流失や過疎化が進む地域市民が自分もそこを利用したいと選ばれるような施設になるべきだ、と将来ビジョンづくりの必要を強く呼びかけています。
また同じく共同代表をつとめた古田二三子(ふるたふみこ)さんが代表となり、津江地区に限らず日田市全体のひとそだて・まちそだて活動を先導したいと「日田の教育を考える会準備会」が発足することになりました。
5月25日(水)には、日田市における豊かな教育・多様な教育を考えていきましょう、と最初のキックオフミーティングが開かれます。
さらに、春の祭典をきっかけに出会うことができたユニークなメンバーが、今後も相互に連携と連絡を取り合いながら、世代を越え、立場を越え、助け合い、支え合い、分かち合いながら中山間地域の再生と合わせて日田市まちづくりへの市民参画や市民協働への市民活動を継続するプラットフォームとしての「つえコモンズ」(まちづくり・まちそだて・ひとそだて草の根共同組織、仮称)をゆっくり息長く育てていこうと呼びかけあっています。
今後の情報を知りたい、という方は、ぜひ本メールへの返信でご連絡ください。
引き続き、様々なお知らせのメールを送らせていただきます。
立ち上げから3カ月以上にわたってご案内してきましたが、このクラウドファンディングからのお知らせは、これで最後とさせていただきます。
ご支援、本当にありがとうございました。
中津江ホール春の祭典実行委員会一同
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