『大佛さまと子供たち』『お市の方』作品紹介
vol. 4 2025-01-03 0
こんにちは。谷口です。
お正月三が日、皆さんはいかがお過ごしでしょうか?私は実家で正に上げ膳据え膳で、のんびり贅沢な時間を過ごしていました。家族に感謝です。
本日は『長浜』以外の上映作品である『大佛さまと子供たち』と『お市の方』の紹介をしたいと思います。あくまで谷口目線です。専門的な紹介ではありませんので、その点はご容赦くださいね。
『お市の方』監督:野淵昶
1942年、第二次世界大戦中に製作された映画です。上映フィルムが戦火で焼けてしまったのか、長らく見ることができない幻の作品でしたが、1991年にロシアでフィルムが発見されました。マスターが1点ものの貴重なフィルムのため、所蔵する国立映画アーカイブの企画などでしか一般上映されず、未だに幻の作品と言っても過言ではないかもしれません。(※今回はBlu-ray上映です)
人物のアップは少なく、ほぼほぼロングショットで構成されていて、絵巻物のような画づくり。それに耐え得る美術、衣裳、鬘(かつら)の素晴らしさ!戦時下という時代もあってか、研究途上のためか、原作や史実とは異なる部分も多いようですが、当時の戦国時代の描き方としても大変興味深くご鑑賞いただけるかと思います。
1月19日(日)きのもと交遊館13:00の回は、太田浩司さんのご講演があります。太田さんは戦国大名浅井氏に関する研究をされている第一人者ですので、ディープな体験となることでしょう!あと、長浜市民なら誰でも「あ!」とわかる長浜ロケもありますので、是非お見逃しなく!!
『大佛さまと子供たち』監督:清水宏
私は20代の頃、京都文化博物館に通い、毎週のように昭和の日本映画を見てました。そんな時、清水宏監督の『蜂の巣の子供たち』という映画に出会いました。戦争孤児となった子どもたちが、戦後の日本の風景の中で強く生きる姿、そして愛を請う姿が描かれていました。主人公である戦争孤児たちを演じるのは、『大佛さま〜』同様、清水宏監督が共同生活していた実際の戦争孤児たちです。芝居をしない(できない)彼らの一挙一動、佇まいに私は大感動しました。
そしてなにを血迷ったか、「私もこんな映画を撮ってみたい」と思ってしまったのです。思い立ってしまった私は上京して、映画制作を学ぶことになります。はい、清水宏監督は私の運命の監督なんです。
子どもや仏像など、芝居をしないものたちが映像の中ではこうも雄弁なのかと、これが映画の力なのかと感じていただけると思いますし、『長浜』にも通じるところがあると思います。こちらも1月18日(土)長浜市曳山博物館13時の回は、太田浩司さんのご講演があります。是非お見逃しなく!!