応援メッセージ|山村浩二(アニメーション作家)
vol. 7 2026-02-02 0
アニメーション作家・山村浩二さんから応援メッセージをいただきました!
山村さんは「頭山」や「カフカ 田舎医者」、「幾多の北」などで知られ、国際的に評価が高いアニメーション作家です。大学卒業後の1987年4月から2年間、ムクオスタジオに在籍していました。当時の思い出を綴ってくださいました。
ムクオスタジオに入社したのは、大学を卒業した22歳の時で、椋尾篁さんの仕事を末席で共有していました。私がもたついた作業をしていると背後から椋尾さんがやってきて、画面に手を加えていきます。言葉少なく、間近で描く様子を見せることで、そのテクニックを伝授してくれました。
椋尾さんの制作に対する姿勢には、豊富な経験則による、自身の職人的技術を常に乗り越えようと挑む気持ちが感じられました。そして背景の絵の魅力でアニメーション作品に貢献しようという謙虚な姿勢にも、多くを学ばせていただきました。自主制作でアニメーション作品を制作していた私に「いつか僕を使ってくれよ」と冗談混じりに話してくださっていましたが、あまりに早い別れとなってしまいました。
椋尾さんの筆致には粘性があり、空間に有機的な様相を湛えています。晩年は、作為と無作為の境が縮まり、もはやどのように描いたのかわからない、複雑で抽象性を帯びた画面を描き出していました。
デジタル化が進む中、今回開催されるこの展覧会の意義を感じています。手描きによる背景美術の迫力と豊かさを感じていただけることと思います。
山村浩二
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山村浩二(やまむら・こうじ)|アニメーション作家
1964年生まれ。87年東京造形大学卒業。「頭山」が第75回アカデミー賞にノミネート、「今世紀100年の100作品」の1本に選出される。「カフカ 田舎医者」「幾多の北」など、アヌシー、オタワの短編・長編グランプリ、世界4大アニメーション映画祭すべてでグランプリを受賞した唯一の監督。監督作品は合計155以上の賞を受賞。「とても短い」が、カンヌ監督週間公式セレクション。映画芸術科学アカデミー会員、芸術選奨文部科学大臣賞、紫綬褒章受章。東京藝術大学教授。
