【薪を燃やした灰はセシウムが200倍に濃縮(書籍の内容チラ見せ)】
vol. 35 2018-09-25 0
野生のキノコやジビエなど、一部の食品を除いてセシウムの量はだいぶ落ち着いて来ました。そのような中、薪や炭を燃やしてできる「灰」について、あまり知られていないのはないかと思います。
灰は、農業では畑に撒いたりアク抜きに使ったり、アウトドアのキャンプファイヤーや薪ストーブの燃料として使われるなど、私たちの生活にとても身近なものです。
しかし困ったことに、薪を燃やすとそこに含まれる放射性セシウムは200倍にまで濃縮されて高くなってしまいます。
しかも灰は食品ではないため、廃棄物として処分場に埋め立てても良い「8,000Bq/kg」が基準値と決まっています。
そのため、薪の基準値はその200分の1にあたる40Bq/kgなのです。
つまり、普通に市販されている薪を燃やすと最大8,000ベクレルの灰になる可能性があるのです。
さらに燃やされるもの全てが測定済みではないことにもご注意。
また、近隣の山から拾って来た薪は、測定してないのでもっと危険です。
みんなのデータサイト調べでは、東日本17都県に限らず、国内で調査された地域の約70%で100 Bq/kgを超えた灰が出ています(表をご覧ください。中央値順です)。
このように、薪や炭を利用する際には、産地はどこか、製造が事故前か事故後か、たとえ事故前のものであっても、屋内保存か屋外保存かなど、いろいろな条件や状況についてチェックしてください。
また、時には焼却灰の放射能を測って安全を確認したいものです。
Cs-134があらかた減衰して消えてしまい、今後は半減期30年のCs-137の汚染が長く続くことを忘れてはいけません。
少なくとも灰を畑に撒いたり、煙や掃除の際の細かい灰を吸い込んだりしないよう、十分に注意することが必要です。
*一般にはなかなか知られていない、食品以外についての8,000Bq/kgと100Bq/kgという恐ろしい「ダブルスタンダード」についても、今回のマップ集の中では解説しています。
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