真利子哲也監督から応援コメントが届きました!
vol. 39 2020-05-11 0
『宮本から君へ』『ディストラクション・ベイビーズ』『イエローキッド』の真利子哲也監督から応援コメントが届きました!
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ミニシアターエイドへ
「イエローキッド」という映画は、2008年に学生時代に制作したはじめての長編映画です。当初は東京芸大の修了展での1、2回限りの上映でしたが、幸いにもその時に観ていただいた方々の尽力のおかげで、シネマ・シンジゲートというミニシアターのコネクションによって全国のミニシアターで劇場公開していただきました。公開してからは許される限り、各地の劇場に足を運んで、いろんな映画館のスタッフや観客とお話して映画について話し合うことができました。この経験があって、はじめて映画の現場に立ち会えたと思っています。
映画は作られたものでありますが、劇場で上映したときにはじめて生まれるものはたくさんあって、その体験こそ映画の醍醐味だと思っています。様々な映画を観客に届けてくれるミニシアターの危機を目の前にして、「イエローキッド」がミニシアターに支えられた映画だからこそ、この映画をもって賛同させてもらいたいと思います。「イエローキッド」は予算もない技術もない学生の頃に、みんなで知恵を絞って制作しました。自宅で過ごされている方々、特に若い人たちにもご自宅でこういう小規模な手作りの映画をみてもらって、映画をより身近なものに思えてもらえたらと思っています。そしてこれから映画館が再開された時には、また劇場に足を運んで映画を楽しんでください!
真利子哲也(映画監督)
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真利子監督は、法政大学在学中に制作した8ミリフィルムのよる映画で高い評価を得て、その後東京藝大の修了制作『イエローキッド』で初の長編映画を制作し全国公開を果たされました。「作家は処女作に向かって成熟していく」と言われますが、「学生映画」という映画監督にとっては最も貧しくも最も自由であると言える時代に作られた珠玉の作品は、まさに真利子哲也という作家性のすべてが凝縮されている高密度の作品群ですが、しかしそれらの作品が人の目に触れていくためには、やはりミニシアターという土壌は欠かせないものでした。
それら監督の原点である初期作品『ほぞ』『マリコ三十騎』『極東のマンション』『イエローキッド』「ミニシアター・エイド基金」応援リターン特典としてご提供いただいています。
コメントにおいて真利子監督は綴ります。
「自宅で過ごされている方々、特に若い人たちにもご自宅でこういう小規模な手作りの映画をみてもらって、映画をより身近なものに思えてもらえたらと思っています」
多様な映画が生み出され続けるためには、多様な映画が見られ続ける環境が必要で、それによって世代から世代へと文化のバトンが渡されてゆきます。今、自粛をせざるをえない地域、映画館の休業の続く地域に住む皆様は、まずは自宅で映画を楽しんで頂きながら、真利子監督のさらなる新作を劇場で見られる日を楽しみに待ちましょう。
『イエローキッド』予告編
残り3日間と少し。ミニシアター・エイド基金へ、皆さんの生活に支障のない範囲でのご協力をいただけたら幸いです。何卒、よろしくお願い致します。
■略歴 真利子哲也(まりこてつや) プロフィール
1981年、東京生まれ。法政大学在学中に8ミリフィルムで自主制作した短篇『極東のマンション』(2003)『マリコ三十騎』(2004)は、オーバーハウゼン国際短編映画祭で映画祭賞を受賞の他、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭で2年連続となるグランプリ受賞など。
東京藝術大学大学院映像研究科の修了作品として、初の長編映画『イエローキッド』(2009)を発表。高崎映画祭で若手監督グランプリ、日本プロフェッショナル大賞で新人監督賞など。『ディストラクション・ベイビーズ』(2016)はロカルノ国際映画祭で最優秀新進監督賞、ナント三大陸映画祭で銀の気球賞、ヨコハマ映画祭6部門受賞など。最新作『宮本から君へ』(2019)は日刊スポーツ映画大賞、ブルーリボン賞、高崎映画祭で最優秀監督賞を受賞など。