鈴木卓爾監督から応援コメントが届きました!
vol. 33 2020-05-09 0
『嵐電』『ゾンからのメッセージ』『ジョギング渡り鳥』の鈴木卓爾監督から応援コメントが届きました!
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映画が物語を起ち上がらせる為に存在するなら、私たちが映画館に出かけて行って帰るまでの小さな旅の時間と、暗闇でスクリーンを見つめる時間によって、観客の中に物語は生まれます。全国のミニシアターはこれまでずっと、私たちに映画を手渡し、私たちが物語を生み出すように闇と静寂を蓄え維持し、個人商店であっても街の公共の場所として、映画という時間と空間の呼応する運動を伝えてきました。この場所を失ってはいけないのです。
鈴木卓爾
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昨年公開の『嵐電』では京都の市電「京福電鉄嵐山本線」を中心に、現実の町並みとそこに潜むファンタジーを総合して見せた鈴木卓爾監督。ミニシアターという場を「私たちに映画を手渡し、私たちが物語を生み出すように闇と静寂を蓄え維持し、個人商店であっても街の公共の場所として、映画という時間と空間の呼応する運動を伝えてきた」と表現します。その表現は、極めて個人的でありながら、そこに収まらない広がりを見せる鈴木卓爾作品と、はっきり通じ合うところがあります。
鈴木監督は自作『ジョギング渡り鳥』と『All Night』を「ミニシアター・エイド基金」の応援リターン「サンクス・シアター」へ提供くださっています。今まで映画館でしか見られなかった作品をオンライン配信することにした決断は、やはり「暗闇でスクリーンを見つめる時間」とそこで観客の中に生まれる「物語」を守るためのものでしょう。
鈴木監督はコメントの最後に、こうはっきりと断言します。「この場所を失ってはいけないのです。」
残り6日。ミニシアター・エイド基金へ、生活に支障のない範囲で、皆さんの関心と協力を賜れたら幸いです。
■鈴木卓爾プロフィール
1967年生まれ。十代より8ミリフィルムで映画をつくり始める。監督作として『私は猫ストーカー』(2009年)、『ゲゲゲの女房』(2010年)、『楽隊のうさぎ』(2013年)、『ジョギング渡り鳥』(2016年)、『ゾンからのメッセージ』(2018年)などがある。京都の生活電車を映画にした最新作『嵐電』は、現在教授を務める京都芸術大学(元・京都造形芸術大学)映画学科の北白河派映画プロジェクトとして2019年に公開され、第11回TAMA映画賞最優秀作品賞、第34回高崎映画祭最優秀作品賞を受賞。俳優としても活動し、これまで多くの日本映画に出演している。