小田香監督からの応援コメント動画が届きました!
vol. 29 2020-05-07 0
『鉱 ARAGANE』『セノーテ』の小田香監督から、応援コメントが届きました!
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小田香と申します。映画をつくっています。
じぶんは映画や映画館とは無縁の子ども時代を過ごしました。
映画館という場所に映画を観に行きだしたのは、ここ数年のことです。
映画を作りだしてから、映画館で映画を観るようになりました。
はじめて長編映画を上映していただいたのは出身地大阪にあるシネ・ヌーヴォさんでした。映画を撮ってはいても、上映活動について何も知らない新人に対して、とても親切に上映時期やチラシ(宣伝)作りのことなどを教えてくださいました。
上映活動中、各映画館に伺い、ご挨拶させてもらうこともありますが、申し訳ないくらいお客さんが少ないときにも、映画館のみなさんは温かく接してくれ、
がんばろうと励ましてくれました。不安でいっぱいの中、そのような対応のひとつひとつにじぶんは救われました。もっといい映画をつくってまたご挨拶に伺いたいと、強く思いました。作り手として現場では常に学び、変化してきましたが、映画が観客のみなさんに届く場所である映画館という空間でもまた、多くを学ぶ日々です。
独立した上映プログラムをもつ映画館に、映画が映画館で上映されることを死守してきた人たちに、心からの尊敬の念を示し、いま危機にある映画館を支援するアクションを素早くとられたミニシアター・エイド基金の活動に賛同いたします。閉館せざるをえない映画館をださないために、孤立した状況の映画館を生まないために、今月踏ん張るために、MTA基金がひとりでも多くの方の注意を引き、ご支援いただけるように、じぶんも尽力いたします。
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「閉館せざるをえない映画館をださないために、孤立した状況の映画館を生まないために、今月踏ん張るために、MTA基金がひとりでも多くの方の注意を引き、ご支援いただけるように、じぶんも尽力いたします。」と決意を語る小田香監督。当基金の応援リターン特典「サンクスシアター」に短編『OUR CINEMAS』をご提供いただきました。
ハンガリーの巨匠・タル・ベーラ監督のもとで映画を学び、第一作『鉱 ARAGANE』が単館系の興行で大きな評判を呼んだ小田香監督。先の3月には第一回大島渚賞を受賞し、授賞式では審査委員長の坂本龍一氏が「今の日本で小田香さんしかいない」とコメントしたことも話題となりました。今、大きな注目を集める小田香監督ですが、はじめての長編映画上映で「不安でいっぱい」だったこと、そんな自分を支えてくれたのが大阪の映画館シネ・ヌーヴォの存在であったことをコメントで語っています。今まさに世界に羽ばたこうとしている大きな才能の第一歩を支えたのは街場の映画館でした。
若き才能を守り育むミニシアターという場は、いわば映画文化の最前線です。その最前線への補給が絶たれているような状況は、実は以前からありました。そして、このコロナ禍でついにミニシアターにとって死活問題へと発展しました。短期的には緊急支援によって、長期的には公共への働きかけによってこの映画文化の最前線へと補給路を開く方法を、社会全体で見つけなくてはなりません。
その緊急支援の一策として、「ミニシアター・エイド基金」へ皆様のご関心をお寄せいただけたら幸いです。皆様の生活に支障のない範囲で、引き続きのご協力を何卒よろしくお願い致します。
©Miura Hiroyuki
小田香プロフィール
1987年大阪府生まれ。フィルムメーカー。
2011年、ホリンズ大学(米国)教養学部映画コースを修了。卒業制作である中編作品『ノイズが言うには』が、なら国際映画祭で観客賞を受賞。東京国際LGBT映画祭など国内外の映画祭で上映される。2013年、映画監督のタル・ベーラが陣頭指揮するfilm.factory (3年間の映画制作博士課程)に第1期生として招聘され、2016年に同プログラムを修了。2014年度ポーラ美術振興財団在外研究員。2015年に完成されたボスニアの炭鉱を主題とした第一長編作品『鉱 ARAGANE』が山形国際ドキュメンタリー映画祭2017・アジア千波万波部門にて特別賞を受賞。その後、リスボン国際ドキュメンタリー映画際やマル・デル・プラタ国際映画祭などで上映される。