【応援コメント7】映画監督・行定勲さんからコメントをいただきました!
vol. 13 2024-09-17 0
ミルクマン斉藤はいつも、世の中の評価とは違う角度で映画を捉えていて、評論の切り口が面白かった。誰の目にも止まらないような映画も、彼の膨大な知識から繰り出される言葉によって、その作品の独自の魅力が伝わってきて、一目観てみたいなと思わせてくれる。ミルクマンさんの評論は誰にも似ていないけど、読むと途轍もない世界が広がっていき、その映画の魅力が溢れてくる。そのある意味変質的な映画愛に何度もノックアウトされた。 その故、私がディレクターを務める、くまもと復興映画祭〔旧菊池映画祭)の名物企画、真夜中の映画祭にレギュラーナビゲーターとして出演をお願いした。映画に興味を持った観客に、まだまだ映画は奥深いのだと、ある意味教育的に、媚薬をばら撒く。真夜中の妙なテンションの上がる時間の危険な映画談義は、大人気となった。映画はこんなにも自由に観ていいと言っておきながら、映画や音楽や文学の膨大な知識による裏付けによってその映画の映画史的な立ち位置まで示すミルクマンさんの解説は、私が噛み砕かないと観客は置いてけぼりになってしまうほど容赦なかった。 ミルクマンさんは、極北という言葉をよく使っていた。振り切った表現をする映画が好きだったのだと思う。 ミルクマン斉藤こそ、極北の映画評価家だったことをたくさんの方に知ってもらいたいと思うのだ。