アルバム制作に携わるメンバーを紹介します⑩
vol. 10 2020-04-30 0
こんにちは、松本佳奈です。
いよいよクラウドファンディング最終日となりました。携わってくれるメンバーやご協力下さった方々のご紹介もあとお二人です。お一人目は、今回チェロのアレンジを担当して頂く時乗浩一郎さん。2010年、音楽活動を辞めようとしていた私を引き留め、地下から引っ張り出してくれた方です。
2004年、小説を書くために大学に入った私ですが、暮らしていた寮にピアノがあったことで曲作りを続け、音楽事務所のオーディションを受けることになりました。しかしそのオーディション自体を運営していたのが大規模な詐欺グループで、レッスン代やレコーディング費用などちょこちょこ徴収されるお金は大学3年の頃には500万を超えていました。
学生ローン、クレジットカードのキャッシング、友人や親を説得して借りる。ありとあらゆる借金をしつつ「CDを出せたらそれを販売して返済できる」と信じて、毎晩のように「偽プロデューサー」に呼び出され、ロシアンパブやニューハーフショーのレストランで修行と称したカラオケを歌わされていたことは黒すぎる思い出です(笑)最終的に警察本庁に駆け込みましたが、泣き寝入りするしかありませんでした。
誰のことも信じられなかった頃。
それからまた紆余曲折ありましたが割愛します(笑)時乗さんと出会ったのは、そんな詐欺騒動の金銭的ダメージから抜け出せず、もう音楽活動は続けられないし東京にも住み続けられないと木更津に戻った頃。高校時代の友人の繋がりで時乗さんが私のライブを訪れることになりました。
「Stringsを世に出そう」
気付けば2012年、『生きているだけの価値』というアルバムをリリースしていました。
あれから8年。すっかり木更津に拠点を移しレーベルからは離れましたが、今回チェロのアレンジという部分で時乗さんに携わって頂くことになりました。きっかけとなった曲「Strings」も、2020年バージョンとして改めてレコーディングします。
写真 なぼ作
時乗さんとの出会いから、可能性がわっと広がりました。今、15年前にはとても想像できなかったほど良い形で無理なく活動ができていることを心から有難く思います。
時乗さん、ありがとうございます。チェロのアレンジ、楽しみです。
以下、メッセージをいただきましたのでご紹介します。
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松本佳奈と初めて会ったのは2010年だったかと思います。
「Strings」を初めて聞いた時に、その暖かな力強い歌声、心の奥の繊細な部分を優しく撫でながら抉ぐってくるような歌詞、美しくもどこか儚いメロディに、一瞬で心が掴まれました。Strings(弦楽四重奏)を入れた編曲で世に出して多くの人に聞いてもらいたいと強く思いました。
そこから2枚のアルバムを2枚、一緒に作らせてもらいました。
後で聞いたら、色々と人生の谷底みたいな生活をしていた頃だったようで、音楽を辞めようなんてことも考えていたようで、彼女がその後に産んだ数々の名曲のことを考えると恐ろしいし、それを食い止めただけでも僕の仕事は松本の音楽人生において意味があった(笑)
この文章を書くにあたり、一緒に制作した曲を聴き直してみました。
どの曲も彼女の生き様が詰まった言葉の塊が、今も心に刺さってきてなんんだかざわざわするのですが、聴き終わった後にどこかじんわり晴れきて雨上がりの虹のように前向きになれるから不思議です。2枚目の全国流通盤「死んだように生きるのはもうやめた」を出してプロモーションも一段落した後、私生活での変化もありレーベルを離れ、多くの人に支えられながら自身でのレーベルを活動を頑張っているのを、陰ながら応援してきました。
昨年のソノリウムでのチェリスト白神さんとのライブで、弦のアレンジをお願いされて、久しぶりに彼女のワンマンライブに伺わせてもらいました。お客様が、涙を浮かべながら聞いた後、肩から何かを下ろし、すっきりとした顔で帰路につかれるのを見て、彼女の音楽の一端に関われたことを大変嬉しくもあり、一緒に音楽を作った同志としてその変わらない頑張りに大変パワーをもらいました。
その彼女の新しいアルバムプロジェクト、Celloの弦編曲という形で、微力ながらもサポートさせていただきます。母親となった彼女が何を歌うのかとても楽しみにしています。
時乗浩一郎
ベルウッドレコード株式会社、プロデューサー。
ダメダメなバンドマンを経て、1993年レコード会社Beingに入社して音楽業界へ。制作ディレクターとしてDEENのデビューから2011年までの数多くの作品に携わる。その後も藍坊主、can/goo、入日茜、上野優華、空想委員会、藤田麻衣子、摩天楼オペラ、森口博子、など数多くのアーティストのディレクション、アレンジャー、プロデュースなどを通して音楽業界での何でも屋的な存在感を示している。
現在はメジャーアーティストの原盤制作プロデューサーの仕事と並行して、自身で発掘した新人アーティストのデビューなども精力的に行う。自身も演奏するマルチプレイヤーでもあり、弦を用いたエモーショナルなアレンジとコーラスワークを多用したアレンジが得意。。。というか好き。
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本日30日まで。ご参加お待ちしています。
□軽やかなエッセイを綴るようにCDをつくる。松本佳奈 6thAlbum『私の日常』制作プロジェクト
https://motion-gallery.net/projects/matsumotokana_6th