鉛筆の先について
vol. 8 2015-07-07 0
マメヒコのスタッフの女の子で、
最近、調子が悪く、突然泣き出したり、
仕事に対する姿勢が甘いと叱られたりしている子がいます。
ボクはその子の株価?の動向を見ていて、
上がったり下がったり激しい上下の繰り返しに、
気の毒なような、呆れるような、
とにかく困ったものだと思ってました。
勤めてもどこかに一年以上、勤められなく、
ここはと思ってマメヒコで働いたのでした。
とても良い所のある子で、ボクも目をかけていたし、
本人も頑張っていたのですが、いかんせん波がありすぎる。
あぁ、この子はもうダメかもなと、思ってた。
ところが、少しずつ、上向きなんです。
底をついた感がある、少しずつではあるけど上を向いている。
どうしたのかな。なにがあったのかなと聞いてみたら、
最近遅刻したという。
いつも遅刻だけは絶対にしてはいけない、
絶対にしたくないとビクビクしていたのに、
ついに遅刻をしてしまったという。
そうしたらね。なんだか楽になったの、と。
鉛筆は常に尖ってなくてはいけないと育てられた子がいます。
芯が丸まっているのはあなた、悪ですからねと。
けどどうでしょうか。
そんな風に思ってしまった子は、芯先が丸まることが怖く、
いつも細い線ばかりになってしまう。
そうしたら味のある太い文字も絵も描けなくなってしまう。
そして、簡単に折れてしまう。
丸まってしまった芯はまた削ればいい。
そういうことがボクは大事だと思う。
初めて遅刻してみて、底をついたら、
なんだか仕事は楽しくやらなくちゃダメなんだと思いました。
ボクは、「そうだね、遅刻は大事なことだね」と言いました。
「若者よ大いに描き給え。
鉛筆は、丸まったら、また削ればいいのだ」
ゲーテならこういうんではないかとそんなことをボクは思いました。