8月9日の演劇と世界への思いの丈
vol. 7 2019-08-10 0
コレクターのみなさま
はじめてお読みくださるみなさま
ありがとうございます。
そして新たなご寄付、誠にありがとうございます。
創作の心強い後押しとなっております。
感謝!
引き続き応援よろしくお願いいたします!
昨日、8月9日(長崎に原爆が落とされた日)
早稲田大学で自閉症の人と一緒にやる
演劇を用いたゲーム
「ハンター・ハートビートメソッド」を作ったケリー・ハンターさんのワークショップ最終日でした。
https://www.waseda.jp/enpaku/ex/8801/
心音からはじまり
声をかけあい
目を合わせ
怒ったり
愛し合ったり
拒んだり
教えたり
戦ったり
驚いたり
と色々な関係を体験し
遠く名前を呼ばれ
また心音に帰る
少しの言葉と指先のふれあい以外は
ただ自分が想像する動きを表にだすことをくりかえすシェイクスピアの「テンペスト」を使った人生ゲームです。
様々な経験、思想、信条、職種、年齢の私達参加者20人は、赤の他人のところからゲームを通じて出会っていきました。
むしろゲームを通じてしか出会いませんでした。
自分を最大につかって他人と共にいる。
そんな時間が後々自分の大きなエネルギーになることは年明けすぐに受けた別のWSでも感じていましたが今回も私にたくさんのエネルギーをくれました。
鏡をみると黒目が大きくなり
見ているものへの集中が増しているがわかりました。
その後自分の芝居の稽古で試したいものが変わりました。
人に対して瞬間瞬間すべてがチャンスだと思えます。
人と出会う前に出会うはずの自分。
自閉症の人はその自分の頭の位置がわからない人がいる。
自分に起こった感情と身体が繋がらず感情を世界に放てないでパニックになる人がいる。
健常者として生きて大人になり
自ら感情を閉じ込めてしまう私もいる。
そのどれにもケリーの作ったメソッドは有効です。
よくわからなくても
くりかえしくりかえし
ただゲームを楽しむ
それだけ
そのあとには自分がみる世界が
ちょっと変わっている
参加したメンバーが実証します。
赤の他人、お互いを知らない私達は
ただ三日間ゲームをくりかえし
三日目には
お互いに関係を持ち、共に探求したい私達に変わっていました
社会性を身に付ける前に出会う自分。
その自分で出会う他人。
自分と他人が別物であり共にいることを
くりかえしくりかえし体験していくことは、学問の手前にある私達が獲得しておくこと。
スムーズに獲得する人が大多数。
スムーズに獲得できない人もいる。
スムーズに獲得しその後わからなくなる人もいる。
大事なことは
自分の気持ち
借り物でなく
見たものでなく
見られてるものでなく
オリジナルの
自分の気持ちを表に出しながら生きていけること
他者からみてどう思われても
自分の本当の思いを外に出すことができれば
それはきっと平和に近づきます
(お互いにそうであれば他者の自由な思いを許せるから)
その後押しを俳優はしているのだ
と思いました
演劇は
俳優は
最善に最大に舞台で演じることで
感情を表に(面に)表すことが出来ない人に
表しかたのヒントを届けることができる。
ただそれだけ。
それで充分。
だから演劇は今日本に必要だと言える。
このゲームを子供達と共にやるとき
俳優のやることは
「つねに最善の最高のテンペストを演じようとすること。子供達の繋がらない心と体は、それを見て動き始める。0だったものが100のものを見て50くらいに変わっていく」
ケリーが度々言葉にしたことのひとつ。
そして
「これはゲーム。演劇もゲーム。」と。
2019年8月9日の時点で私が思う
演劇というものが確定しました。
これから変わるかもしれないけど
それもまた楽しみに
俳優を続けます。
中村真季子