認知症介護と虐待(名古屋での劇場イベントより)
vol. 18 2017-04-03 0
4/1(土)より名古屋・シネマスコーレでの『毎アル』シリーズ・アンコール上映がスタートしました。2(日)に劇場で行った関口監督との質疑応答では、『毎アル2』で触れている「虐待」についてのご質問をいただきました。
「監督とお母様の関係性はとても良好そうになのに、なぜ虐待のことを考えられたのですか?」
関口監督が「虐待」のことを考えるようになったきっかけは、認知症の母が薬を素直に飲んだ時でした。「それまでの母は薬をとても嫌がっていたので、<介護しやすくなった>と捉えることもできるかもしれないが、私はそのことがとても怖かった」「今の母は、私が薬だと言って毒を渡しても疑うことなく飲んでしまうのではないか」と思ったという関口監督。「母の全てが私にゆだねられている」。自身の「絶対的な力」と「圧倒的な立場」に気づき、「虐待」が起こるメカニズムを強く意識したそうです。
『毎アル2』で、父親を施設職員に虐待されていた音楽療法士の女性が「(虐待をした)彼はいい人だった。とても親切だったの」と語っているように、「虐待」は一部の問題のある人が起こすのではありません。認知症の人に抵抗されて、カッとしてしまった、という経験をお持ちのかたもいらっしゃるのではないでしょうか?
関口監督は以前、「タスクに重きを置きすぎると、人間関係を築くことが軽んじられてしまう。そこに“認知症だから”という目線が加わると、相手の存在を軽視してしまう」「個別性を見ないマニュアルやタスクは認知症の人だけでなく、介護者にとっても負担になっている」ことを指摘されていました。その上で、「介護している家族やプロ(介護士や看護師など)も認知症の人と同じように、孤独な存在であり、ケアが必要」との認識を持ち、「マイナスな事をオープンに語れる環境づくり」(家族であれば、外に助けを求められるか。プロの人たちは職場でオープンに話し合えるか)が大切と続けられました。
関口監督によると、「自分の世界観に認知症の人を当てはめようとせず、いい〜加減の塩梅で、できないことを頑張るのをやめて、外から適切な助けを入れる」と「在宅8年目でも元気いっぱい。映画も作れるし、名古屋にも来れちゃう」そうですよ(笑)
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