FoodCamp誕生秘話 応援コメント~生産者:鈴木光一さん~
vol. 8 2020-02-08 0
本日はFoodCampの生みの親、鈴木農場の鈴木光一さんに応援コメントをいただきました!
鈴木農場 鈴木光一さん
FoodCampが始まった経緯を教えてください!
FoodCampの原型はとある女性から始まりました。2014年の始まったばかりの開成マルシェに来ている1人の女性が、マルシェの出店をまわりながら生産者達と話をしていました。聞けば東京から来ていて、福ケッチャーノ(※福島復興を願って作られたレストラン。BestTableの前身)に食べに来ていると。会話をしているうちに仲良くなり、「この野菜達が育っている畑が見れたらいいな」とポロッと言ったんです。それを聞いて「じゃあうちの畑に来たらいいべ!」と言ったら、「いいんですか!?本当に来ますよ!?」と言うので、「どうぞどうぞ。」と答えてその場は終わりました。
開成マルシェの様子
そうしたら、その女性が本当に東京から人を集めてくれて、じゃあバスを仕立てなければということで郡山観光交通(孫の手トラベル親会社)に声をかけました。お客様を自分の畑に招くのは初めてで、自分にとってもとても新鮮な体験でしたし、楽しかった。
ツアーの皆さんも最初は「本当に畑に入っていいの?」とおそるおそるでしたが、入ってみたら「ふかふか!」、大根をかじってみ「あまーい!」と大はしゃぎ。その後、開成マルシェに移動して福ケッチャーノのご飯を食べて、畑で見た野菜が料理になるとこんな風になるのか!とさらに驚いてくれました。
お客様が畑で楽しんでいる様子
そんな姿を見て、山口社長に「キッチンカーを買ってシェフの料理を畑で食べたらおもしろくないか!?」と言ってみました。そうしたらお客さんと一緒に畑に入って大根をかじっていた山口社長も同じように感動したらしく、タイミングよく知り合いから買わないかという話も出てきてキッチンカーを買っちゃった(笑) そこからFoodCampが始まりました。
そんな風に始まったんですね(笑) その後はどうだったんですか?
キッチンカーを買っちゃったから、じゃあ本当に畑で食べてみようということで1年後にモニターツアーを開催しました。昨年のツアーで、お客様が「畑が本当にふかふかで、ここで寝てみたい!」と言っていたので、シートを敷いて寝転がってもらって野菜の気持ちを味わってもらったり(1回目からやっていたのかと驚く我々)、ラ・ギアンダの加藤くんが調理してくれてそれを食べたり。
そのツアーは泊まりだったので翌日は農家の朝食と称してそれぞれの漬物を持ち寄ったり、農家のお米を食べ比べてみたりもしました。これもすごく楽しかったし、お客様も楽しんでくれました。 その翌年は大雨になってフードカートがぬかるんだ畑から出られなくなってトラクターで救出したりもしたけど(笑)、やりながら反省して改善してきたよ。
一回目から開催されていた「野菜の気持ち」体験ワーク
大雨の話は聞いていました! FoodCampは光一さんにとってどんな意味がありましたか?
お客様が自分の畑に来ると、ここまでよく『伝わる』のか!と驚きました。自分達が日々向き合っている自然や、野菜を美味しく育てたいという思い、それから震災・原発事故を克服する努力。お客様が畑に入って、育ったものを食べる直接的な体験を通じて、それらが本当によく伝わっているのが分かりました。これがFoodCampの良さだと思います。
そうですね。FoodCampのお客様は畑に着くと目の色が変わって無邪気に楽しまれていることを実感します。畑の力でしょうか。
FoodCampには今後どのようになってほしいですか?
良いことだから続いてほしいし、続くためには皆が楽しんでほしい。今あらためて思い返すと、最初の頃からものすごく楽しかったね。生産者も料理人も孫の手トラベルもお客様も、皆が楽しみながら同じ方向を目指して一体となってやっていけば、食を通じて福島がもっと魅力的になっておもしろい場所になると思います。それを目指そう!
光一さん、応援コメントありがとうございました!
畑にいると自然と笑顔になるお客様
~インタビューを終えて
最初の畑ツアーから5年が経ち、FoodCampの積み重なりができてきたこのタイミングでこのお話が聞けて本当に良かったと思います。 また、原点をお聞きすることで、開成マルシェとの連携など今後のヒントも多くいただきました。
私自身も昨年入社してFoodCampを一年経験したうえで聞いたので、実感を持って聞くことができましたし、点と点がつながりました。そして何より、初期の熱量を聞いて、事業を興すには皆で楽しんでやることが重要だと学びました。うちの社長は飲食の経験がないのに無謀にもキッチンカーを買ってしまいましたが、それはおそらくこの熱量にあてられたんだなと想像ができました。
ということで、これからも皆で楽しくワクワクしながらFoodCampを開催していきます!
次回は鹿野先生のお話を聞きたい!
インタビューの様子。たくさんの種をバックに
インタビューの前のランチはBestTableで光一さんのお野菜を