ビデオブログを考える。(11) - 再生時間のバランス
vol. 15 2014-06-10 0
YouTubeでの動画の人気度の基準は、再生された時間数・再生回数・評価数・コメント&共有数の4つで決定される。
一時期、再生回数を不正に増殖してランキング世界一位を獲得した動画も存在していたと聞く。そういった人気の基準は不正が掛からないよう日々変化しているようだ。
一動画あたりの長さの基準は、恐らくYouTuberそれぞれが独自のポリシーを持っていると思われる。
動画制作に関するプランニングの参考にしているMEGWIN TVの場合、スマートフォン類での再生を考慮して、一つの動画の長さは1分〜2分程度を想定しているらしい。ただし長編企画物は除き、その場合は5分〜7分程度のようだ。
瀬戸弘司氏の場合、商品紹介系の動画は10分前後の長編が大半で、一つの動画で多くの情報を詰め込もうとしているのが伺える。ここで言う情報というのは、商品自体の情報ではなく寸劇やパフォーマンスも含めた"情報"であることである。
商品紹介以外にDIY系の動画も公開している、ウェブデザイナーのKazu氏の場合は、コンテンツの内容にも左右されるがおよそ5分〜8分程度の動画が多い。
国内YouTuberのリサーチを行っていると、それぞれの視聴時間の想定が存在しているのがよく分かった。恐らく再生中のどこの時間あたりでコンテンツの中核の部分を紹介するのか、どこでパフォーマンスを盛り込むのか、その辺りも無意識ながら考えられている可能性はある。
●ルミナスタジオの投稿動画管理画面
ルミナスタジオがYouTubeへ参入した際、このリサーチを基に決定した動画の長さはおよそ4〜5分。ここが最も視聴の際に手頃な時間単位だと想定した、
ルミナスダイアリーシリーズのカットは、キャラクターのテキスト表示時間である8.00秒を基準に区切っている。そのため、標準となる動画の構成はイントロダクション・メイン1・メイン2・エンディングの4部位となる。
一番重要なコンテンツはメイン1とメイン2であり、頭と後ろであるイントロとエンディングは重要度が薄くなりがちだ。だがそれで構わないのだ。
1動画の中で全て視聴して頂ける事は非常にありがたく、それを目指すべきでもある。しかし、この長さでも『長過ぎる』と感じる視聴者がいてもおかしくはない。テキストベースでコンテンツを取り扱うルミナスダイアリーだからこそ、5分でも長いと感じる可能性は無いとは限らないのだ。
●FinalCut Pro Xにおける第179週のタイムライン。少々見え難いが4つのパートで区切られている
ビデオブログで必要なのは『伝えるべきことをしっかり伝える』ことだ。
当然だろうと考える人は多いだろうが、正直言うと自分も含めてそれを実行し切れている人はあまり多くはない。有名YouTuberのモノの伝え方が上手なのは、どんなにパフォーマンスを織り交ぜようとも伝えるべき部分は必ず盛り込んでいるからでもある。
ルミナスダイアリーはメインとなるパートの2つの部分に、伝えるべきことの大半を盛り込んでいる。エンディングに前2つのパートのオチを少々繋げてはいるが、実質3分程度で伝えるべき情報をほぼ全て伝えるという事になる。
恐らく、手慣れていないYouTuberならばこの手法が一番堅実ではないだろうか。所々にパフォーマンスを盛り込んでしまうと、動画の内容自体が希薄で冗長になりがちだ。最初の内は、この集約させる手法をお勧めしたい所だ。
ビデオブログも、文字のブログ同様に情報メディアの一つだ。
パフォーマンスの内容を熟考する以前に、それを忘れないよう常日頃心がけたいものである。