ローカルメディアコンパスの編集プロセスを紹介します
vol. 11 2019-12-06 0
ローカルメディアコンパス制作メンバーの齊藤です。
メディアコンパスを皆さんにお届けするための編集作業も佳境に入りました。
現在、デザインを担当してくださるNDCグラフィックスさんに最終的なテキスト内容を入稿する前に、もう1度ワークショップでのフィードバックを反映させるため、第2弾の簡易プロトタイプを作っています。
これまで写真や動画、体験会でお見せしてきた第1弾のプロトタイプからは大きく見出しや内容が編集されているカードや、新しく収集したエピソードもあります。
今回は、これまでにどんなプロセスを経てカードが現在の内容になったかをご紹介します。
エピソードは、主に昨年夏〜秋に行ったワークショップで、横浜市内のウェブメディアやタウン誌、テレビ・ラジオ関係者から集められました。最初のワークショップを進行してくださったのは、元新聞記者でファシリテーターとして活動する宮島真希子さん。
最初はエピソードというより、各自の気付きや教訓を付箋に書き出すところから始まりました。
こうして伝えたい要素がいろいろと頭に浮かんだところで、次は具体的なエピソードを正確さ、公平・公正、コンプライアンス、双方向性、地域密着といったカテゴリごとにひたすら書き出してもらい共有する回に。
経験談ねえ…と唸りながらみなさんに出していただいた話の中には、ほとんどの参加者が経験した「あるある」!というもの、放送局やウェブそれぞれの媒体ならではのもの、市民参加のメディアならではのもの、これはぜひ見習いたいというベテラン記者さんの知恵が詰まったものなど、さまざまなエピソードがありました。
当初は、これに見出しを付け、
【見出し】
【エピソード】
【そこから伝えたい教訓】
【メディアの経験度的にどれくらいの人向けか(★★★)】
【カテゴリ】
を、カードに載せる情報としました。はたして、カードといっても文字以外のビジュアルが浮かびづらい中で、表はどんなデザインにすれば…。アイデアもないままNDCグラフィックスさんにご相談したところ、作っていただいたのがこちらのデザインプロトタイプです(色付きのもの)。
サインやインフォグラフィックスを得意とするNDCグラフィックスさんに、文字だけでもキャッチーな見せ方を見事に提案いただき、テンションが一気に上がる一同。この方向で50枚を制作することになり、エピソードの取捨選択、追加収集、ブラッシュアップが始まりました。
たとえばこちらは、森ノオトのメンバーから出たもの。パートナーを夫と呼ぶのか旦那と呼ぶのか主人と呼ぶのか、妻なのか嫁なのか奥さんなのかは、取材・執筆の中で頻繁に出てくる問題です。はじめに付けたタイトルが、『言葉に敏感に』。マスメディアなどの経験者は比較的すんなりと手にとってくれるものの、市民ライターを多く抱えるウェブメディアのメンバーからは、ほかのカードも含めて「説教じみたタイトルではとっつきにくい」という意見がありました。ワークショップツールとしての親しみやすさを重視し、これは『おっと?ご主人?旦那さん?』というタイトルに、ほかのカードもエピソードのより具体的な内容から着想した見出しに変更しました。
カテゴリ分けも、そもそも分けるのが難しい、マークにしても分かりづらい、といった問題からいったん取りやめに。経験度やカードの性質(モチベーションアップになるものか、リスクを知らせるものかなど)でカードを分類し、色分けすることにしました。
編集作業中のメンバー。複雑な要素が絡み合っているエピソードなどは、どう編集するか議論が白熱します
ローカルメディアコンパスの大きな特徴は、こうしましょう!とやり方を押し付けるのでなく、正解のない問いについて、自分ならどうするかを話し合うものだという点です。どうしても、あれを伝えたい、これも伝えたい、という思いから教訓優先の作りになっていましたが、ワークショップの進め方も定まってくる中で、【教訓】の代わりに【問い】を入れ、問いを立てづらく答えがはっきりしているもの(スキルに関するもの、講座でも教えられるもの)を除くという作業も行いました。
これから、森ノオトのローカルライター講座や、 寄付月間イベントでの体験会(12/14)、鎌倉経済新聞&逗子葉山経済新聞さんとの体験会(12/16)、関内での体験会(12/19午前を予定)でフィードバックをいただき、元のエピソード提供者さんとも確認しながら、最終版にしていきます。第2弾プロトタイプを見てみたい!という方は、ぜひ体験会にご参加ください。お待ちしています!