世界で最も男女平等な国からみた日本
vol. 18 2019-10-26 0
(インタビュー)男女平等、世界一への道 アイスランド女性権利協会事務局長に聞く
【朝日新聞10.25.2019より】
世界経済フォーラムの男女格差ランキングで、アイスランドは10年連続1位を誇り、「世界で最も男女平等な国」と言われる。一方で日本はここ10年、じわじわと順位を下げており、昨年は149カ国中110位だった。毎年、複雑な思いで記事を書いている記者が聞いてみた。「どうすれば男女平等な国になるんですか?」
――政治の場に女性が増え、何が変わったのでしょうか。
「女性が政治の対話に参加することによって、男性に有利に働いてきた法律や制度が、全ての人がメリットを受けられるように見直されました。たとえば従業員50人以上の企業の役員は、男女とも40%以上とすることが義務づけられました。また従業員25人以上の企業には、男女で同じ賃金基準を設けることが義務化されました。そのほかジェンダーに配慮した政府予算の義務化や、同性婚の合法化、ストリップ・クラブの禁止など次々に新しい法律が生まれ、法的には完全なるジェンダー平等が保障されています」
――「既得権益」を失うことになる側の男性からの反発は?
「30、40年前は確かに反発がありました。でも今は、異を唱える人はいません。なぜなら男性たちは、ジェンダー平等が自分たちにとってもメリットになると感じているからです。たとえば男性も、女性と同様に育児休業をとることを譲れない権利だと主張しています。男性も幼い我が子と過ごしたいと思っており、約8割が取得します。また男女の賃金が平等になれば、不当に低い賃金で働いていた女性たちの賃金が上がります。つまり世帯収入が上がることにつながり、男性にとってもありがたいのです」
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――日本も変われますか。
「人的資源は十分です。首相が国際社会に対して、ジェンダー平等を目指すと発信してきたことも知っています。それなのに大きな進展がない。実現の方策を徹底的に追求していく、政治の意思が欠けているのではないでしょうか。社会のしくみをもっと変えていく必要があるのだと、政治家に圧力をかけ続けなければなりません。国として最も賢い投資は、女性運動を支え、変化を促すことにあるのです」(聞き手・三島あずさ)
全文は以下↓
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14230669.html?iref=comtop_favorite_02