音づくりについて
vol. 3 2018-11-16 0
ComposerのSho Sakaiです。
Vol.3ではRain Gardenの音づくりについてお話しします。
Rain Gardenでは、私が独自に生み出した作曲技法「等価拍子による作曲法」(仮)を使用しています。以前は「Homogenized Time Music」と言う名前でしたが、Timeのニュアンスがダジャレじみており、伝わりづらいので変更しました。
今回は「等価拍子による作曲法」とは何か。と、拍子調性(優位性)についてお話しします。
【等価拍子による作曲法とは】
等価拍子による作曲法は、全ての単純拍子を等しく扱うことで拍子調性(優位性)を排除する作曲技法です。
【無拍子と等価拍子】
この2つはとてもよく似ています。というのも、等価拍子は、元々は無拍子の自動演奏プログラムを作り、理論を構築する目的で始めた研究でした。しかし、研究を進めていくと、拍子があるのに、拍子に優位性が見られないという、無拍子とは異なる不思議なリズムが生まれました。
【拍子調性(拍子の優位性)】
拍子調性とは、楽曲が何拍子であるか判断しうる要素を指します。例えば、1小節目を4拍子とした時、2小節目第1拍に拍子の予測(保留)状態となり、2小節目第4拍が終了した時に4拍子であることが確定します。ここに4拍子の拍子調性(優位性)が生まれます。
等価拍子は特定のルールに従い、単純拍子を組み合わせることで、何拍子であるかという拍子の優位性が失われたまま楽曲が進行していきます。
これ、めちゃくちゃ面白くない?
Sho Sakai
作曲家であり声楽家。レコーディング&マスタリングエンジニア、サウンドエディターで、音に関するあらゆることを扱うエキスパート。また、商品装飾展示技能士で紅茶アドバイザーという顔を併せ持つ。
15歳でギターを片手に家を出る。演奏して、歌を歌って、食べ物をもらうという日々を過ごすも、20歳の時に病気にかかり音楽活動を休止する。療養期間中に読んだ様々な本の影響もあり、音による、人体そのものや、時間的感覚、精神、環境に対する影響と可能性に興味を持ち、回復後は新しい作曲技法の研究に力を注いだ。
十二音技法をヒントに、それをリズムに転換して考える方法を探し、拍子調整を発見し、“等価拍子”による作曲法を完成させた。現在は、研究や、作曲以外にも、音楽や、音に関わる全ての事に対し、探究心を持って活動を行なっている。