石川梵監督最新作　
東日本大震災で活躍した余命３ヶ月のセラピードッグとの旅「十兵衛のラストジャーニー」制作支援

『十兵衛のラストジャーニー』を応援してくださった皆さまへ

いつも温かい応援をありがとうございます。
映画の公開が大幅に遅れ、ご心配をおかけしております。

『十兵衛のラストジャーニー』は今年いったん仕上げたのですが、見直しを重ねるうちに「もっと深く私の思いを届けたい」と思うようになりました。十兵衛が前面に出すぎてしまい、十兵衛の魅力はでているのですが、私がこの映画で伝えたかった“人と自然の共生”や“大災害を通して学んだ本当に大切なものは何か" というジャーナリストしてのテーマ”が十分に浮かび上がっていないのではないかと感じたのです。

そこで思い切って編集を見直しました。十兵衛を中心に据えながらも、これまで私が歩んできた取材の旅──東日本大震災、伊勢神宮の御遷宮、ネパール大地震、そして『くじらびと』のさまざまなエピソードを回想シーンに織り込んでいきました。どれも困難な取材でしたが、ときには身近に、時には遠く離れていても、常に私の心の中には十兵衛がいて、私の活動を支えてくれました。

この手法の結果、映画はぐっと深みを増し、ライフワークとして私が取り組んできたさまざまな取り組みが一本の線となり、ドキュメンタリーとしても一級の作品に生まれ変わったと思います。

そう書くと十兵衛があまり出ないのでないかと心配されるかもしれませんが、もちろん十兵衛はこれまでと変わらず、主人公として映画の中心にいます。
どの場面でも私のそばにいて、静かに、でも確かな存在感で物語を支えてくれています。編集を進める中で、改めて十兵衛という存在の大きさを感じました。

映画は来年3月に試写を予定しています。その後、劇場公開となります。
当初よりかなり時間がかかってしまいましたが、そのぶん、見応えと感動が増した作品をお届けできると確信しています。

どうか、もう少しだけお待ちください。
きっと、十兵衛との旅が皆さまの心に深い感動をもたらすことができると思います。

監督　石川梵