「空虚」の構想 前編 参考にしたのは「桜桃の味」
vol. 4 2024-03-15 0
どうも、藤沢です。
今日は本作「空虚」の参考にした映画について書いていきます。
参考にしたのはアッバス・キアロスタミの「桜桃の味」です。見てない人はネタバレになってしまうので、見てください。
ストーリーを説明すると、
人生に絶望し自殺を決意した男バディが、自殺を手伝ってくれる人を探していくがなかなか手伝ってもらえない。老人バゲリが自殺を手伝ってくれることになる。それと同時に世界が素晴らしいということもバディに伝える。バゲリと別れた後、写真を撮ってほしいとカップルの女性に頼まれる。(カップルの男性の方はバディが最初に自殺の手伝いを頼んだ男である)写真を撮り終わった後、何かがきっかけでバゲリのところに引き返す。夜になり、タクシーで自殺しようとしていた場所に向かう。映画を撮影している風景に切り替わる。
カット割の考察
「絶望した男が世界の素晴らしさに気づく」バディの視野に着目していく。
【バディがどこかを見る・バストショット】と【バディの目線の先】のモンタージュでストーリーが進んでいく。
【バディの目線の先】は視野の範囲を示している。 前半では視野を狭く見せている。例えば、車の中から撮っているので内装が陰になって外が見えにくくなっていたり、【危険なものを予感させる寄り】のカット、などが狭い視点である。
後半では、障害物(車の窓など)からバディを狙うショットでは無くなっている。徐々にカットが変化していく。車の中や窓の内側にあったカメラが外に出るようになる。これはバディの視野が広くなった表現である。例えば、【博物館に入って窓越しにバゲリを見つけたバディ】カットの次に【窓を追い越したバディの寄り】カットがある。今まで窓などの障害物があったがはっきりとバディが見えるようになった。このカット割が「世界の素晴らしさに気づく」演出である。
テキストだけですみません。画があれば理解できると思います。
今回は映画評論みたいになってしまいました、、、
次回は「空虚」についての構想を書いていきます。