「空虚」の構想 後編 「人生の絶望に気付く」見せ方
vol. 5 2024-03-19 0
どうも、藤沢です。 今日は「空虚」の構想について書いていきます。
正直なところ、 映画の評論や演出について書きたくない。言語化することにより単純化され納得されてしまうのが嫌だからだ。藤沢の映画について納得しなくていい。新しい感情を見つけてほしいと思って映画を作っている。藤沢の考えた意図と違っていても良い。見方はそれぞれに任せる。
ここから先はネタバレになるで、映画を見る前に演出を知りたい人は見てください。
「空虚」のストーリー
ユウジは人間関係に疲れ、仕事を抜け出してしまう。車で帰る途中、偶然出会ったマミを駅まで送ることになる。 ユウジはマミとの会話で人生に希望を持つことができる。 しかし、すごいと感じたマミが上司に怒られる姿を見て、ユウジはこれから人生に絶望して自殺をしてしまう。
演出の構想 カット割のテーマは「人生の絶望に気付く」
ユウジが人生に絶望するのが、上司に怒られるマミを見ることにある。このシーンをいかに絶望したかに見せるのが、この映画における演出の重要なところである。絶望を表情で見せるようなことはしない。モンタージュで見てもらいたい。
カット割の話をすると、基本的にカメラは車の中にあり、人物や風景を狙っていく。ユウジとマミとの会話も車の中から狙っていく。あるシーン以外はカメラは車の外に出ない。あるシーンとは、ユウジが希望を持つシーンである。この時だけカメラは外に出てユウジを狙う。外に出たカメラはユウジの絶望と同時に車の中に戻る。このカメラ位置がユウジの心境を表したものである。【狭く見える視界】が焦燥感や絶望感、【広く見える視界】が希望を持つ、といった感じである。
書いていて思ったのが、テキストにしたところで仕方ないので、ぜひ映画を見てほしい。やるせない気持ちです。期待していてください。
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