『航海記』作者の赤井都さんからのメッセージです
vol. 6 2024-10-17 0
今日は、作者である赤井都さんの言葉を紹介させていただきます。
赤井都さんは、自分で書いた物語をそれにふさわしい本の形にしたいという思いから豆本作りを始め、さまざまな作品を発表してきました。
どの作品も全て手作業によるもので、限定本です。私が出会った初版『航海記』も限定30部の豆本でした。出会った時の衝撃は、クラウドファンディングのページに詳しく書かせていただきました。
今回、初めて赤井都さんが書いた物語を書店版(単行本)として制作しよう、と一緒に漕ぎだしました。
ぜひご一読いただけましたらうれしいです。
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たくさんのご支援ありがとうございます
書店版『航海記』クラウドファンディンクへ、たくさんのご支援ありがとうございます。何度も見て感動していました。そしてこの先はまた厳しそうに思います。さらなる応援、どうぞよろしくお願いいたします。
一冊の本が、皆が少しずつ櫂をこいでくれて、航海を始めています。
作者というものは、子供と同じで、見つける目だけで生きていて、きれいな花を見つけて「ほら、見て見て」と大人に言う。「うわあ、こんな花、どこにあったの?」「ここの道端にあるじゃない!」
子供だから、見て見て、と言った時点で、そこまでで満足している。
大人の感性で、本当に作品を理解して、それと共に人生を過ごそうとしてくれている人たちがいる。本当にありがたいし、クラウドファンディングという思いがけない局面を迎えている。
初版の『航海記』を作った時、個展の初日には、一人も来なかった。そんな辛かった経験を、私はすっかり忘れていた。その『航海記』が、豆本という装置から離れて、言葉だけで本になろうとしている。発起人の新谷さんは、前途多難にあえて向かっている。でも、一冊の本がそばにあるとどんなに良いか。特に人生がうまくいっていない時。本はそばにいられる。
『航海記』を、あなたの本にしてください。
豆本作家・ブックアーティスト
赤井 都
photo by Atsuko Ito
自分で書いた物語をそれにふさわしい本の形にしたいという思いから、独学で初めて作ったハードカバー豆本で、2006年ミニチュアブックソサエティ(本拠地アメリカ)の国際的な豆本コンクールで、日本人初のグランプリを受賞(MBS book competition distinguished award winner)、2007年連続受賞。その後、10年間かけて、通常サイズの本の西洋伝統的手製本、デコール、書籍の修理と保存をルリユール工房などで学ぶ。2016年、9年ぶりの受賞、また2021年、2022年受賞。
著書に『豆本づくりのいろは』(河出書房新社)、『そのまま豆本』(河出書房新社)、『楽しい豆本の作りかた』(学研パブリッシング)。
2006年より個展、グループ展、ワークショップ講師、豆本がちゃぽん主催など。オリジナルの物語を、その世界観を現す装丁で手作りする、小さなアーティストブックの作り手として、また講師として活動中。