内側から見る
vol. 7 2017-10-04 0
薮内正幸美術館の薮内竜太館長のご協力により、こうもりクラブ公式グッズに使用させて頂いているこちらのイラスト、
動物画家・薮内正幸さんによるものです。
『コウモリ 地下実験室からの報告』 庫本正 著 薮内正幸 画 福音館
こちらの本の中表紙に上記のイラストが載っています。
顔が見えないコウモリですが、よく見ると片足が折り畳まれています。
精緻でありながらユーモラス。想像が膨らみ、とても魅力的なイラストです。
一体何をしてるのでしょうね?
そして翼で隠している顔は左を向いていますが、足は膝が右を向いています。あれ?おかしいですね?
そう、我々人類とコウモリは足のつき方が逆なのです。
写真は『ヤブさん 薮内正幸・動物画に生きた六十年』薮内正幸美術館 より
無類の動物好きであった薮内少年は、大阪の高校卒業後、上京して福音館書店に入社します。
いつもハガキに寄せていた動物のイラストからその才能を見込まれ、『世界哺乳類図鑑』の挿絵画家として抜擢されました。
そんな高校を卒業したての若い頃、図鑑の挿絵の仕事のために上野の国立科学博物館の研究者のもとへ毎日通い、まずは動物の骨格を徹底的に描いたそうです。
骨格から理解する。外からではなく内側から見る。
その時、描く人と描かれる動物は一体化しているのかもしれません。
写真は『ヤブさん 薮内正幸・動物画に生きた六十年』薮内正幸美術館 より
「薮内正幸さんは決して天才ではない。ただ、動物が好き、そのことが人より飛び抜けていたのだ。」
これは薮内正幸美術館館長、薮内竜太さんより伺ったお話です。
(三上周子)