訃報及び心配なニュース
vol. 9 2021-03-29 0
谷川が昔務めていた日本ヘラルド映画という洋画配給会社の大先輩で、2017年に一緒に『日本ヘラルド映画の仕事』(原正人監修・谷川建司著/パイインタナショナル刊)という本を作らせていただいた映画プロデューサーの原正人さんが89歳で亡くなられた旨、本日連絡をいただきました。外国映画配給の黄金時代を築かれた映画業界の大功労者です。ちなみに、谷川は今年のはじめに原さんから電話をもらい、「ちょっと話しておきたいことがあるんだよ」というので、1/22に久しぶりに東大前のお住まい(ケア付きホーム)へお伺いし、小一時間、話してきました。内容としては「僕がヘラルドという会社でやってきた仕事というのは結局のところどういうことだったと捉えるべきなんだろうか」というようなことで、その時点ですでに余命がそう長くはないことを自覚しておいでだったと思います。その時の会話は録音してあった(これまで、何度も原さんにインタビューしてきたので、その延長で習慣になっていたため)ので、後日、何らかの形で原さんの遺言としてみなさまにご披露できればと思います。ご冥福をお祈りしたいと思います。
また、本日のお昼のニュースで、歌舞伎界の至宝で、人間国宝である二代目中村吉右衛門丈が昨日ホテルで食事中に倒れられ、病院に救急搬送され、その時点で心肺停止状態だったとの報道に接しました。吉右衛門丈には、やはり2018年に出した拙著『高麗屋三兄弟と映画』(雄山閣)において、本の中で中心的に語られている八代目松本幸四郎のご二男のお立場で事前に拙稿をお読みいただき、アプルーバルを頂戴するなど、多少の接点がありました。個人的には、楽屋へご挨拶に伺ったり拙著の序文をお書き頂いたりしているご長男の二代目松本白鸚丈ほどの接点はないものの、いち歌舞伎ファンとしてはなんとも心配なニュースです。ご回復を心よりお祈り申し上げます。