日本映像グランプリ 授賞式!
vol. 32 2023-11-05 0
こんばんは。
映画『不完全世界』日記です。
今日は弐話の千波役&脚本担当 水津亜子(すいずあこ)がお届けします。
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11月3日は、第15回日本映像グランプリの審査発表&授賞式でした。2020年に完成した映画をなぜ今…?とお思いでしょうか。
その時は完成や上映のタイミングなど色々ありまして、応募できなかったんですね。
昨年古本恭一監督の次の作品『CODE-D魔女たちの消えた家』(2022年)が、日本映像グランプリで「優秀社会問題賞」に選ばれ、授賞式に参加させていただいた時に、この映画祭の方々に『不完全世界』を観ていただきたいと思ったのです。
今回は審査に時間がかかったようで、一次審査の結果が届いたのが10月24日。
この時には通過作品34作品の中に『不完全世界』は入っていなくて、長すぎたから落ちたのかな…とがっかりしていました。
翌日まさかの追加通過作品に選ばれ、一般公開審査で31日に上映していただけることになりました。
上映スケジュールが出たのが、ギリギリだったのにも関わらず、お越しくださったお客様には本当に感謝です。
そして、上映された31日の夜、最終ノミネート作品に選ばれました。
ノミネートされたら、2人の関係者が軽井沢での審査発表&授賞式に参加することができます。
交通費も宿泊費も懇親会の食費も出していただけるのです。
すごいー!
『不完全世界』は古本恭一(写真右)・齋藤新(写真左)共同監督の作品です。
なので当然、授賞式は監督お二人が参加なさるものだと思っていたら…
新さんは、来週に迫った松本マラソンのための走り込みをしたいから、授賞式欠席ということで…
代わりに私が軽井沢へ。
授賞式は朝なので前乗りです。
新幹線に1時間乗ったら、もう着いちゃう。
近っ!
軽井沢駅からのタクシー代まで負担してくださるという素晴らしさ。
でも夜遅すぎたのか、タクシーが来ないので、電車と歩きで宿まで。
これがめちゃめちゃ味のある電車で地元感を味わえて良かったです。
そして道が真っ暗で、スマホで照らして何とか歩ける。
次来る時には(来られるのか?)懐中電灯持って来なきゃ。
皇族の方も泊まったことのある宿らしく、素晴らしいお部屋です。
ビジホ以外のホテルなんて、久しぶり。
アメニティーが竹でできてて、超可愛い。
お部屋のキーは、軽井沢彫りと言われるものだそうです。
そして、どのお店にも冷蔵庫にも、りんごや桃のジュースがあります。
おいしい。
そして、翌朝の審査発表&授賞式。
結果が気になって気になって仕方ない、最終ノミネート作品の関係者たちのソワソワ感が充満する会場。
予定の10時半の少し前に全員が集まると、
「審査発表の前に、まず館長が皆様に是非ご覧いただきたい作品の参考上映を先に行います。」
去年の映像グランプリでは、入選できなかったけど見て欲しいという作品(とても良い映画だった)を参考上映してたから、そんな感じかな。
「この作品は上映時間がとても長いので、お手洗いなど行きたい方は…」
え?不完全世界の他にも、そんなに長い作品が?
「お子さんがいらっしゃいますが、保護者の方のご指導が必要なシーンもあり、会場を出ていただいても結構です…」
あれ?何か不完全世界に似てる。
っていうか、それ私の出てるシーンでは…?
「上映時間は142分です。」
あまりの長さに軽くざわめく会場。
えーーーーー!
それって『不完全世界』じゃないかー。
参考上映していただけるのはうれしい。
でも今?今?
皆さん審査発表が始まる!早く知りたい!と思ってドキドキしているところに、先に2時間22分の作品を観させてしまうなんてごめんなさいごめんなさい。
そして、参考上映ってことは、もしかして私たち受賞できないってこと…?
そんな複雑すぎる思いで観ていた参考上映は、開始後20分が過ぎた頃、機材トラブルで突然中止に。
というわけで、仕切り直して審査発表が始まるのですが、賞の望みは薄いかなと思いながらも、でもグランプリはなくても、何か特別賞的な感じでいただけないものだろうか、と期待せずにはいられない。一つ一つ受賞作品が読み上げられて行くのですが、『不完全世界』は呼ばれない。
まぁね、ホテルのお部屋素敵だったし。
参考上映したい、みんなに見せたいと思っていただけただけでうれしいよね!
だから今回応募して軽井沢来て超良かったよね!
…みたいな、周りと自分に対する前向きなフォローをいくつも考えていたところ、
「最後にグランプリを発表します」
あー賞の発表全部終わっちゃったじゃん。
やっぱり受賞はなしか…とがっかりした時に、スクリーンに映し出されたのは、
どーん。
見慣れた球場シーンのスチール。
ポカーンとしてしまいました。
人生最大の驚き。
隣の席で「ないわー・・・」とつぶやく古本監督。
何かの間違いかと、じーっとグランプリの文字を眺めてたけど、夢じゃなかった。
別作品の代表で来ていた佐藤ザンスさん(壱話の医師役)と。
来年には受賞記念上映会も企画されているようです。
その折にはぜひお越しくださいませ。
私の出演させていただいた弐話の撮影風景を。
(左から齋藤新監督、私、齊藤さやか撮影監督、古本恭一監督)齊藤新監督は、実は2012年に監督作『罪と罰と自由』が日本映像グランプリのグランプリに選ばれていまして、日本芸術センター史上初(多分)のグランプリ2回受賞監督になりました。
受賞も入選もうれしいけど、グランプリって最っ高ですね。
キャスト・スタッフ、ご支援いただいた皆様、お世話になった皆様、ご鑑賞いただいたお客様、こんなに長い作品を最後まで観て選んでくださった映像グランプリの方々、本当にありがとうございました。
新さん、マラソンで良い走りができますように。