「工芸展」という言葉では、収まらない企画展。
vol. 1 2026-09-03 0
KOGEism 2026のクラウドファンディングを始めて、数日が経ちました。
応援してくださった皆さま、本当にありがとうございます。
今日は改めて、「なぜKOGEismを始めたのか」について書いてみたいと思います。
「つくる」って、もっと面白い。陶芸、漆、木工、金工、染織。
工芸と聞くと、「日本の伝統文化」を思い浮かべる方も多いと思います。
もちろん、長い時間をかけて受け継がれてきた技術や知恵は、未来へ残していくべき大切な文化です。
でも、私たちがKOGEismで伝えたいのは、それだけではありません。
素材に触れ、手を動かし、失敗し、考え、またつくる。
そこには、効率や生産性だけでは測れない、人間の創造性と時間があります。
「工芸を知ってもらいたい」だけではなく、「ものをつくるって面白い」と感じてもらいたい。
それがKOGEismを始めた理由の一つです。
だから「工芸展」という言葉だけでは、収まらない企画展なんです。
KOGEism 2026には、日本15名、フランス5名、合わせて20名の工芸作家が参加します。
漆、陶、竹、木、ガラス、羽根、麦わら、布。
素材も技法も、育ってきた文化も違います。
フランスからは、カルティエやエルメスなどの仕事にも携わってきた作家たちが参加し、
アラン・マイラン氏の作品は日本初公開となります。
日本からも、海外で活動する若手から、長くキャリアを積んできた作家まで、
さまざまな「手」が集まります。
日本とフランス。
異なる文化、世代、素材、技術。
それらが一つの場所に集まったとき、何が生まれるのか。
KOGEismは、完成された「工芸の答え」を見せる展覧会ではありません。
これからのものづくりとは何かを、一緒に考える場です。
100年前の時間と、今を生きる「手仕事」
今回、展示空間そのものにもこだわりました。
施工チームは東京から片道約6時間かけて山形へ向かい、
100年以上前の蔵に使われていた古材を選び、運び出しました。
その古材が、9月からAXIS Galleryの展示空間を構成します。
100年前に誰かが使っていた木。
そこに、今を生きる20人の作家の作品が出会う。
過去から受け継がれてきたものに、今の時代でもう一度、新しい意味を与える。
それもKOGEismでやってみたいことの一つです。
作品だけではなく、
素材、空間、時間、そして作家の思想まで含めて、
一つの体験として届けたいと思っています。
見て終わりにしない。
会期中には、作家によるトークイベントや在廊の機会も設けます。
作品を見る。
素材を見る。
技術を見る。
そして、つくった本人と話す。
背景を知ることで、一つの器やオブジェの見え方は、きっと変わります。
これまでにも、文喫六本木で陶芸作家・佐藤典克さん、竹工作家・大木淑恵さんを迎えた「アート未来会議」を開催し、KOGEismに向けた対話を重ねてきました。
KOGEismは、作品を「見る」だけではなく、作り手の考えに触れ、人と人が出会う場所でもありたいと考えています。
工芸を、特別な人だけのものにしたくない。
もう一つ、大切にしていることがあります。
大学生以下の子ども・学生は入場無料です。
「こんなものがつくれるんだ」
「どうやってつくっているんだろう」
「自分も何かつくってみたい」
まずは、そんな小さな驚きに出会ってほしい。
その好奇心が、いつか未来の作り手を生むかもしれません。
だから、工芸を一部の人だけが楽しむ文化にしたくない。
できるだけ多くの人に、本物の工芸と出会う入口をつくりたいと思っています。
KOGEismには、まだ歴史がありません。
2026年が、第1回です。
まだ何も積み重なっていません。
だからこそ、ここから始められることがあります。
日本とフランスから始まり、将来的には英国をはじめ、さらに多くの国や地域の作り手ともつながりながら、継続的な国際工芸展へ育てていきたい。
いつか、「KOGEismに出ることが、工芸作家の目標になる。」
そんな場所になったら、とても面白いと思っています。
今回のクラウドファンディングは、単に展覧会の費用を集めるためだけのものではありません。
これからの工芸の未来を、ともにつくるための最初の一歩です。
そして、応援してくださる方々へ。
その一人ひとりが、この最初の一歩をつくっていく。
もしKOGEismの考えに少しでも共感していただけたら、ぜひ応援いただけると嬉しいです。
100年後に何が残っているのかは、誰にも分かりません。
でも、100年後に何かを残すための一歩を、今つくることはできる。
私たちは、そう信じてKOGEismを始めます。
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