講師紹介:八森 淳 Atsushi Hachimori
vol. 5 2015-05-12 0
見える事例検討会(R)八森医師よりメッセージが届きました!
プロフィール
八森 淳(はちもり あつし):見える事例検討会開発者 医師
青森県出身。自治医科大学卒業。青森県のへき地を含む公立病院、診療所などで勤務し、その後、2004年から公益社団法人地域医療振興協会にて総合医、家庭などの教育、研修に携わり、老健の認知症専門棟の診療などにもあたる。2015年5月に独立し、地域連携、医療連携、自治体などの事業計画、認知症の支援体制の構築、認知症の診療などを行い、文部科学省 革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)にも関わっている。
メッセージ
見える事例検討会を開発し、地域の支援困難な事例を検討し、実際に解決に結び付ける多職種での活動を開始したのが、2011年3月でした。あれから、今回フォーラムを開催してくださる桐生市をはじめ、日本全国で見える事例検討会を通して多職種の輪が創られ、発展し、拡大しています。
このような状況は実際にこの手法を開発し使い出したころには想像もつかなかったことでした。横浜市金沢区で事例検討会を積み重ね、実際に今、誰かが困ったり、何とかしたいと思ったりする事例を解決につなげてきた一つ一つの積み重ねが、全国のいろいろな方々の思いと重なり、広がっていったのだと思います。
見える事例検討会には不思議な力があります。いろいろな職種、視点、人生経験を持つ参加者それぞれが事例にのめりこむように発言を重ねていきます。そんな中、見え検マップの効果により、俯瞰的に状況が見えてきて、最初はだれも思いもよらなかった課題や解決のポイントが見え、解決につながっていったりします。そのダイナミックな場の動きに参加者もワクワクするような気持ちになり、一体感がつくられていきます。質問や発言の一つ一つから、検討会を進める中で参加している人それぞれを尊重する雰囲気が自然と生まれてきます。その結果として、参加している人たちがつながり、チームとして地域で機能していくのです。
私もすでに数百の事例に見える事例検討会で関わってきましたが、いつも新鮮で新たな発見や、場の動きに胸が躍ります。これは、今動いている事例を参加者みんなが解決しようと思って検討会に臨んでいることに加え、事例に入り込むように参加者をひきつけるとともに、全体を俯瞰して見られる、見える事例検討会の構造にポイントがあるのだと思います。
「見える事例検討会」のこれらの感覚は残念ながら参加した人でないと感じることができない新しい場です。今回、群馬県高崎市で開催される全国フォーラムにぜひ皆さんに来ていただき、見える事例検討会の臨場感をぜひ体験していただきたいと思います。フォーラムでの事例検討も全くのライブで私たちも知らない事例です。さ~、どんな検討会になるか!
ぜひ、みなさんご参加していただいたり、このような取り組みへのエールを送っていただいたりしてもらえればうれしいです。
認知症の方の支援は日本全国で、しかも将来的にはもっと深刻になるといわれています。そのような状況を少しでも改善すべく、今後も取り組んでいきたいと思います。また、長寿社会の先進国として、日本から世界に発信できることもあると思います。
見える事例検討会全国フォーラムの応援、ご参加どうぞよろしくお願いいたします。