【作品の背景を紐解く】先達の名は…(著者的深掘りコラム)
vol. 19 2021-08-31 0
職人の誰もが備えているもの…その一つは、
自分が一目を置き、自分に無い技や術や知恵を持ち、それを惜し気もなく与えてくれた先達の名を、何人も言える…ってことじゃないかと、私は思います。
そうゆう尊敬に値する先輩や師と呼べる人たちに、いかにたくさん出逢うことが出来たか…
当たり前のことですが、それらは仕事をする者として、その後の仕事ぶりを決定づける、とても大切なことです。彼らはトレーナーであり、メンターでもあります。
私にとっていえば、里や現場の諸先輩、例えば、故山田繁雄翁、故佐野竹雄翁、故浅野正七翁、故宇野二夫翁、佐村良一さん、矢崎清さん、梅田勇人さん、高橋幸弘さん、谷村勝美さん、石脇良夫さん、池田一夫さん、大野幹根さん、置田優一さん、島田崇正さん、高橋順之さん、古田憲司さん、小島道裕さん、柳沢直さん、田端英雄さん、津田格さん、玉木一郎さん、原島幹典さん、末武東さん、日下部修さん、江崎尚史さん、峰本泉さん、尾川克之さん、倉本一広さん、坂本寿弘さん、仲上功さん、佐々木亮さん、北川知靖さん、青木雅司さん、徳永純一さん、奥村廣明さん、遠藤俊雄さん、遠藤一二巳さん、遠藤一美さん、川辺明治さん…列伝を記すには紙幅がありませんが、与えて下さった多くに感謝。
世人にとっては知らない誰か…名もなき無数の六等星。
私にとっては地上で出逢えた、輝く高みの星ぼし。
あの山の連なりの上に、そうゆう名も知らぬ星ぼしが、無数に輝く。
良き職人という者は、誰しもそれぞれそうゆう先駆者たちの名を心に刻み、その背中を追って、いまも山路を歩んでいるものだと。
そしてこれからも多くの星ぼしに出逢えることを夢みて。
この本を、これから林業に身を置く方たちに捧げることは、先達への恩返しでもあります。
世代を超えて伝え継がれる修行というもの、その素晴らしいさ。
現場の営みとは、それそのものが、この世への遺産です。