浜野佐知監督作品『百合子、ダスヴィダーニヤ』
vol. 5 2024-08-30 0
浜野佐知監督作品『百合子、ダスヴィダーニヤ』予告編
これは友愛(フレンドシップ)か、恋愛(リーベ)か?
女性二人が、自分たちの関係について精魂傾けて討論し、お互いの愛を深めて行く。
時は1924年(大正13年)。湯浅芳子は、後にチェーホフなどロシア文学や演劇の名翻訳者として知られるが、当時はロシア語を勉強している雑誌編集者。「スカートをはいた侍」と呼ばれ、一生「女を愛する女」であることを隠さずに生きた。
一方、戦後民主主義文学の旗手として活躍した宮本百合子は、17歳で天才少女作家としてデビューし、早くに結婚して作家活動をしながら、夫・荒木茂との生活に行き詰まりを感じていた。
二人は出会ってすぐに惹かれあう。意気投合した二人は7年間に渡って共同生活し、揃って民間女性として初めて3年間のソビエト・ロシア留学を敢行する。
しかし、帰国後、百合子は、文芸評論家で後に日本共産党書記長となる宮本顕治と再婚し、二人の共同生活は破綻した。