釜ヶ崎狂言会 特典と発表会のご報告①
vol. 6 2016-03-08 0
発表会&座談会 盛況のうちに閉幕しました
躍動感の溢れる創作狂言がお目見えしました(C)COCOROOM
こんにちわ。発表会からあっという間に一カ月が経ちました。インフルエンザや冬の寒さは遠ざかり、春が間近に感じられますね。皆さまにおかれましては、花粉症で大きなくしゃみをしませんよう、ご自愛ください。
梅の開花 香りは春そのもの
今年も釜ヶ崎狂言会は春を迎えます。第三回目の発表会まで漕ぎつけられたのは、応援者の皆さまのおかげです。重ねて感謝申しあげます。
早速ですが、釜ヶ崎狂言会より、特典を発送致しました!今回発送させてもらったのは、メルシーパック、トロピカルパック、ソリダリテパックの応援者さま宛ての特典です。遅くとも数日中に到着予定です。
発送のイメージ
また、いろはパックの応援者の皆さまへは、3月11日前後に、「創作狂言の台本集とDVD」を発送致します。長らくお待たせしましたが、創作狂言の台本集は全60ページ、7つの創作狂言が収められています。
創作狂言『タヌキのはなし』の冒頭
また、応援者の皆さまの応援の気持ちを記念にするべく、皆さまの名前を入れた1ページも作成しました。現在、この台本集は応援者の皆さま、関係者の方のみの配布を予定しています。
応援者の皆さま 感謝の1ページ
創作狂言のDVDは、約70分の内容になっています。台本集と合わせて鑑賞すると、分かりづらい言い回しを読みなおしながら、物語に入っていけます。
一点、大変恐縮なのですが、ビデオカメラの位置の関係から、ところどころ出演者が枠に収まらない場面があります。どうかご寛大な目でご鑑賞ください。
発表会当日のご報告
大阪九皐会館 最終稽古の様子 緊張感がひしひしと伝わる
発表会の当日、新今宮駅から電車に乗り、発表会の会場である大阪九皐会館を目指しました。初めて能舞台に上がる方、2回目のおっちゃんなど、計10名が肩を並べることができました。
本番まで あと3時間 「わし 書くと 覚えれんねん」
それぞれ工夫をして台本を覚える 「いや~、相手のセリフも入ってないとあかんね」
わずか5日間で、狂言を習い、創作し、発表する。この挑戦で、最後まで課題になったのは、セリフを覚えることでした。
講師 茂山童司さんと最後まで粘り強く打ち合わせ
それでも、出演者の皆さんはセリフが出たり、出なかったりに一喜一憂しながら、相方やお客さんを意識し、「こうやったらおもろいかな?」「この言い回しでわかるやろか?」と、最後の最後まで打ち合わせを続けます。
本番まであと少し!
京都から装束が到着 柄や色合いがかわいい (C)COCOROOM
顔つきが引き締まる 着付けの様子(C)COCOROOM
本番の2時間前、着付けが始まりました。わきあいあいとしていた雰囲気が一転、空気がぴーっんと張りつめます。
「キュッ、キュッ」 着付けの終わりを合図するように、腰帯が締まります。(C)COCOROOM
初舞台の緊張感 全身が震えたちます (C)COCOROOM
舞台の直前、講師の茂山童司さんは、
皆さんの演じる役は誰にも替えがききません。だからと言って、声を小さくしたり、間違った!と舞台で言ったりせずに、堂々とやってください。細かい台本を間違えても皆さんにはわかりませんよ!
と声をかけ、いよいよ幕があがります!!!
不安と緊張が入り混じる (C)COCOROOM
いざ本番!
今年の発表会には、50名以上の皆さんが足を運んでくれました。小学生からご近所の皆さんまで、幅広い層の方が来場してくれました。半数近くの方が、初めて狂言を鑑賞し、釜ヶ崎狂言会に足を運びました。
また、Ustreamによるインターネット配信では30名以上の皆さんが鑑賞しました。
『タヌキのはなし』 ネバネバダンスの様子
舞台裏での緊張感はどこへやら、本番に強い出演者の皆さん。能舞台をのびのびと使い、大笑いの順調なスタートです。
『かみあわない』 セリフが出てこない ハラハラする瞬間 (C)COCOROOM
と、思いきや、頭がまっしろになってしまい、セリフが出てこない一番がありました。でも、そんな姿にクスクスと笑い声が聞こえてきます。
セリフに詰まる度に、舞台裏にスタンバイしている茂山童司さんからセリフが飛んできて、これもまた笑いになりました。
『フーテン老人 愛の物語』 仮面に独り言をする様子 (C)COCOROOM
3番目の創作狂言は、これまでの狂言とは一味違い、ちょっぴりものがなしさのある物語でした。幕が下りると同時に、感嘆のこもった大きな拍手が送られました。
『じゃりじゃり』 ある夫婦のところに 妖精が出没!! (C)COCOROOM
最後の一番は、狂言の型から飛び出して、躍動する妖精と夫婦に、大笑いの連続です。「人間やめたい!人間やめたい!」と声を合わせながら、幕に入るときにはお腹の底から笑い声がでてしまいました。
会場が割れそうになるほどの笑い声が響きました
来場者の皆さんからは、
今日はどんな狂言が披露されるんだろう??とドキドキして来たのですが、予想をびゅーんとこえていて、すごく面白かったです!たくさん笑わせていただきました。出演された皆様が、私のスター的な存在となりました。かっこ良かったです。
ことばがなかなか出てこなかったですが、皆さんいっしょうけんめい演じておられることが、素晴らしいと思いました。伝統芸能を身近に感じられるよい機会を得て本当に良かったと思います
という感想を頂きました。
舞台終了後 座談会の様子
大笑いの舞台はあっという間に過ぎ、少し休憩をはさみ、釜ヶ崎狂言会実行委員会、茂山童司さん、中川真先生、そして出演者や来場者の皆さんと円を囲みました。
舞台の裏話、狂言のしきたり、皆さん一人ひとりのびっくり体験談などに耳を傾けました
ある来場者の方は、
狂言というのは、本当に良いぬか床だなと今日思たんですよ。どんな食材でも、漬けたら最高の漬物になる。いやほんま感心しますわ。
とおっしゃっていて、座談会で話し合ったテーマの一つは、狂言だから伝えられることがあるのでは?というテーマになりました。そして、芸能の培った知恵を来場者の皆さん、出演者の皆さんと考える機会になりました。
一方で、出演者の方からは、
集中してフラフラになったり、大笑いしたり、自分以外の人と目的に向かって共有する時間は、苦しい時もありましたが、今思い返すと、いい時間だったと思っています。今からこの時間を作ろうと思っても、もう作れません。一期一会なのですね。
という感想も送られました。今後、「創作狂言の発表会と座談会をDVDで振り返る会」を予定しておりますので、その際に出演者の皆さんを中心にゆっくり振り返りたいと思います。
それでは引き続き応援よろしくお願いします!