サダーカ代表・田村雅文さんより応援メッセージが届きました!
vol. 3 2021-02-02 0
2005〜2007年、青年海外協力隊としてシリアに赴任していた経験があり、2012年より任意団体「サダーカ」を立ち上げ、ヨルダンを拠点に、シリアの人たちの声なき声に耳を傾け、日本や世界に向けて発信を続けてきた田村雅文さんから、本プロジェクトへの応援メッセージが届きました。
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世界で起こる問題に対して「日本にいるワタシにいったい何ができるでしょうか」そういう質問を受けることがよくあります。
現地の近くにいる私であっても、戦争により避難生活を送る人たちの状況、あるいは物価が10倍も高騰して冬の寒さを堪えしのぎ生き抜こうとするシリアの友人の状況を伝えることはできても、実際その質問への回答をすぐに見つけだすことが難しい時があります。
私は、この約10年の間シリアの人たちの安全で安定した生活を取り戻すため、根本的な戦争を止めるためのアクションへの参加を訴える活動をしてきましたが、最終的な一人一人の関わり方は自分で考え、行動するしかないという現実もあります。
ただ、この10年を経て、親しいシリアの友人からの印象に残った声の一つが、「世界の人たちにとってシリアなんてどうでもいい、昔からの友人たちは特に連絡もくれないし気遣うこともない。そんなものよ・・」という諦めにも似た言葉でした。ただその諦めの裏には「繋がっていたい、忘れないでほしい」という想いがあります。
自分のお金を寄付として届けることは、そこに「繋がり」続ける一つの方法だと思います。繋がっていれば、寄付以外にも「何かできること」が見つかるかもしれません。
JIM-NETは人々に寄り添い続けることを大事にし、また根本的な問題解決への想いも強く持った信頼できる団体です。是非多くの皆さんが繋がりを作る機会にしていただければ私もこの地域に関わる人間の一人として大変嬉しく思います。
(サダーカ代表 田村雅文)
【田村雅文 プロフィール】
2005-2007年、青年海外協力隊としてシリアに赴任し帰国。2011年に始まったシリア混乱をきっかけに2012年に家族と共にヨルダンに移り住む。サダーカという任意団体を通じて日本から来る訪問者の受け入れなどをしながら、紛争を逃れ避難生活を送るシリア人の家庭を訪問。シリアの人たちの声なき声に耳を傾け、日本や世界へ紛争停止を訴え発信を続けてきた。2015年からは勤務する国際乾燥地農業研究センターのエジプト事務所に移り、カイロでの生活を続けている。シリア和平ネットワーク発起人メンバー。共著に『非戦・対話・NGO 国境を越え、世代を受け継ぐ私たちの歩み』新評論社。