前作『鱗のない魚_A Fish Without Scales』特別公開!
vol. 7 2017-02-23 0
映画『蹄』の前身作『鱗のない魚』ワンシーンを特別公開!!
映画『蹄』監督木村あさぎの前作『鱗のない魚』をご紹介します。
この作品は2016年イメージフォーラム映像研究所の卒業作品として制作され、
同研究所の最優秀賞をいただきました。
この作品には監督木村の作品に対するテーマが生きており、そのテーマは『蹄』にも繋がります。
本作『蹄』の上映に先駆け、本日は前作『鱗のない魚』のワンシーンを特別公開いたします。
以下、監督木村より
『鱗のない魚』
私はこの『蹄』を撮る前に『鱗のない魚』という短編映画を撮った。
痛みを感じない女と、SM嬢として生きる女二人の関係についての物語だ。
この2作品の共通したテーマとしてあるのが、「体への疑い」だ。幼い頃から私は自分の体を恥じていたが、その恥はどこからくるものなのか。考えた時にそこには必ず他人の存在があった。
私は姉よりも醜い、あの人に太っていると言われた、あの人は私を臭うと言った。とか。自分の身体や存在価値を決めるのに必ず他人からの認証がなければ満足できない自分にそろそろ飽き飽きしてきた。しかしいつまでも私はそれに固執することをやめられない。誰かの認識を通してでしかその形を自覚できないのであれば、今ここに在る身体とされているものは何なのだろう。
『鱗のない魚』は痛みを通して身体を認識しようとするという行為に注目した。そしてその虚無感について。
そして私がどこかで聞いた、魚は痛覚がないという言葉について。
あまり意識していなかったのだが、この作品では魚、そして『蹄』では牛に女たちは自分を投影させる。これは、私の現在の身体への現実逃避の思いが強く表れていると思う。小さい頃に抱いていた、〜だったらいいのにな。から抜け出せずにいるのかもしれない。でも一方で、本気で人間と彼らの境目なんて曖昧だよな、思い込みかもしれないよなと思ったりもする。
今作の『蹄』は前作よりもさらに自己への“他人からの認識”にフォーカスした内容になったと思う。
誰もが一度は持ったことのあるであろう漠然とした自分というものへの不安。『蹄』を観た後、その感情を馬鹿らしい何て思わずに、少し思い出す人がいたらな、その人と話をしてみたいなと考える。
木村あさぎ
本プロジェクト10,000円以上ご出資いただいた方へのリターンとして
『鱗のない魚_A Fish Without Scales』の限定公開プレゼント!
(現在この機会以外に映像配信、上映の予定はございません)
映画『蹄』制作支援プロジェクトも残すところあと6日となりました!
どうか本プロジェクト達成に向けてどうぞよろしくお願いいたします。
映画『蹄』製作委員会