短篇アニメーション「火づくり」ご支援者の皆様へ(20.8.18)
vol. 39 2020-08-18 0
こんにちは!松浦です。
梅雨が明け、連日、厳しい猛暑になっていますね、、、
皆さま、いかがお過ごしでしょうか?
熱中症には、十分にお気をつけください。
「火づくり」の進捗ですが、MA(マルチオーディオの略)という
音の素材を編集する作業に向けて、現状、用意できる最新の絵の素材を用意し、
全体の編集を行いました。
本編で、約22分になりました。
企画当初は「10分くらいかなぁ」と思っていて、ビデオコンテにした時は
17分になって、そこから編集をして22分、、、と、徐々に尺が伸びています(笑)
編集をしながら、再度、セリフを削ったり、やっぱり足したり、、、という検証が続きました。
「絵で表現できることを、言葉にしなくても良い」という思いと、
「いやいや、それでも、これだけは、やっぱり言葉にしておかなくちゃ」という思いが
ごちゃ混ぜになり、アレコレと葛藤をしていました。
目の使いすぎのせいか、編集後は、頭痛というか、眼精疲労が酷かったです。
MA用の編集を終え、本編のカット尺はこれで決定しました。
このムービーを、音楽・音響スタッフの皆さんに送って、効果音の制作や、
音楽の最終調整をしてもらっています。
来月下旬までに、それらの作業を終えて、エンジニアの方と、MIX作業をする予定です。
今、僕はTVシリーズのアニメのお仕事もしているのですが、今月はちょうど、
「火づくり」と同じく、音響作業などを行なっていました。
「TV作品の場合は、こうしなきゃいけない」というルールがあって、「火づくり」の
それとは異なる部分が沢山あります。
良い悪いの話ではなく、「業界の通例的なワークフロー」と「個人ベースでの制作の
ワークフロー」の違いです。
TVの作品は、当然「放送する長さ」が秒・フレーム単位で決められているので、
「もっと伸ばしたい」という融通は利きません。
CT(カッティング)と呼ばれる制作初期の編集作業でカットの尺を決定せねばならず、
それ以降の尺の変更は不可能です。
対して「火づくり」は、編集作業自体を、僕が自分一人でやっているのに加えて、
TV作品のような「尺の規定」がないので、絵の素材を並べながら、カットの尺を
削ったり、伸ばしたり、しています。
AR(アフレコ)についても対照的で、TV作品の場合は、CTの後にARを行うので、
声優さんの演技は、基本的に、CT後のムービーに合わせて、撮っていきます。
対して「火づくり」は、プレスコ(事前に声を撮る)なので、既に声優さんの声の素材は
全て揃っていて、絵の素材と同様に、セリフとセリフの「間」を、じっくり検証しながら、
編集しました。
セリフの内容を再度、自分でしっかり確認しながら「この言葉は不要だな」とか
「ここはもうちょっと間を長くしよう」といった調整作業ができたのです。
コンテを書き終えたのが、ちょうど、2017年の春だったので、約3年前の自分と
対話しながら、変えるべきところは変え、残しておくべきところは残す、といった作業を
していました。
改めて、この作品が体現しようとしているモノに、自分自身がじっくり向き合える時間でした。
作り手として、とても贅沢で、貴重な時間でした。
こういった作業ができるのも、皆様のご支援があったお陰です。
改めて、温かいご支援、心より感謝申し上げます。
どうもありがとうございました。
・・・
肝心の完成予定ですが、現在、10月末のコンペティションの締め切りに合わせて
完成させよう、というスケジュール感で動いています。
アニメの絵の完成度は、75%、といったところです。
9割ほど、キャラクターの絵に色がついている状態ですが、もう少し修正を施す必要が
あるカットがあって、それらの修正作業に8月、9月は、集中する予定です。
「撮影」(アフターエフェクツという編集ソフトで素材を並べて映像にしていく作業)に
ついても、最終調整は、自分のPCで行なっています。
全カットの全素材を、自分が実際に見て、触って、画面を作っています。
皆様からのご厚意を無駄にしないよう、妥協せず、最後まで作り上げていきます。
・・・
現場でご協力を頂いている皆さんの御尽力で、グッと完成に近づき、作者として、
日々、歓喜と興奮を感じています。
皆様にご覧になって頂ける日が楽しみです。
どうぞご期待ください。
今後とも、「火づくり」を、どうぞよろしくお願い致します!
「火づくり」監督/松浦直紀