目標金額を超えたご支援は客席の製作費に。
vol. 10 2024-06-06 0
「今回、目標金額を超えたご支援は客席の製作費に充てさせて頂ければ幸いです。」
みなさま
おかげさまで昨日無事に目標金額である50万円を達成いたしました。
あらためて応援いただいた皆さまには篤く御礼を申し上げます。
誠にありがとうございました!!
プロジェクトは本日を含めて残り2日あり、ここから先、当初の目標金額を超えて頂いたご支援につきましては、こちらも今回新たに製作した野外劇用の客席の製作費として充当させていただければと考えています。
先の戸山公園での終演後のバックステージツアー「夜のピクニック」の際にもご説明させて頂いていたのですが、こちらでもあらためてご説明させていただくと、
戸山公園野外演劇祭のメイン会場である野外演奏場跡という場所はコンクリートの演奏場を囲んで緩やかな斜面がありまして、その地面にただ置くだけで地面との平行がとれて観客の方々に座っていただける仮設の客席も、今回の舞台監督である劇団唐ゼミ☆の齋藤 亮介さんが開発、製作してくださっていました。
戸山公園のこの空間における仮設客席の最適解ともいうべき逸品です(本当にいいものなのです)。
赤い木の板が、今回のために製作した客席です。
野外演奏場跡はその形状から舞台の周りの360度を客席として使用できるのですが、どこを客席として使うとしても、客席についている木材を打ち替えることでどの角度の斜面にも対応することが可能なつくりとなっています。
こちらも資材一式を公園のそば、すぐに取り出せる場所に保管をし、今後これを使いたい団体の方々がすぐに使えるようにいたしました。
席数はこの写真に見えている赤い客席(一人掛け)だけで約60席のご用意があります。
ここに戸山公園の備品である丸椅子や、パイプ椅子、桟敷席を組み合わせることで約100席程度の客席であればいつでもさっと展開できるようになりました。
(奇しくも先日閉館されたこまばアゴラ劇場の正規の客席数は60席だったかと記憶しています。)
ちょっとした小劇場サイズの客席であれば、木の板を地面に敷くだけで簡単に展開することが可能になっています。
客席そのものも、野外劇の上演をご覧いただくのにこれ以上ない、土の匂いや草の息吹を感じながら木のぬくもりも感じつつご観劇いただける素敵な客席となっています。
(ぜひ一度お掛けになってみてください!)
はじめて野原に客席を並べてみた時、新緑の日差しの中に赤が映えて、それがとても綺麗で胸が詰まりました。
色は私たちの公演が5月の新緑の季節だったことから、観客のみなさまがお席を見つけやすいようにと考えて野原の緑との反対色となる鮮やかな赤で塗ってみました。
これはもちろん今後使いたい団体の方々の好きな色に塗っていただければよいのですが、いざ塗ってみるとこれはかつてここで初めて野外劇を上演された唐十郎さんの紅テントへのオマージュに他ならないと個人的には強く思いました。
かつて1966年にこの地で『腰巻お仙 忘却篇』を電撃的に上演された唐十郎さんの伝説はどうしたって意識しないわけにはいきませんが、その唐さんが先月に亡くなられ、たまたま私たちの舞台の設営中に通りすがり(本当にただの通りすがり)の大久保鷹さんから当時の伝説などを直接伺ったりなどしていると、この客席の赤は偶然でもなんでもなく、他ならぬ唐さんの紅なのだという確信のようなものを強く感じられるようになりました。
紅テントは今も花園神社に翻っていますが(『泥人魚』!!)、かつて唐さんが野外劇の端緒を開かれた戸山ハイツの灰かぐら劇場では、唐さんの紅が今度は観客席となって再び新たな時代の野外劇の観客を創造しようとしているのだと考えると、個人的には強く納得できるものがありました。
「演劇とは、終局的には、観客を創造するもの」という、唐十郎さんの言葉をいつも心の片隅に置きながらこのところずっと過ごしています。
いつだって演劇の”演劇性”は、観客席で最高潮にドライブするのだと思います。
ごく正直に申し上げればこうした客席の赤色はもともとただの偶然ですが、私たちの客席はどうしたって赤でなければなりませんでした。
(※舞台監督の齋藤さんは劇団唐ゼミ☆の所属ということで唐さんとも私よりはるかに近しいので、もし各方面に迷惑をおかけするようでしたら今回の記述はすべて取り下げます。あくまで松本個人の妄想に過ぎません…!!)
この仮設の客席が、これからの戸山公園野外演劇祭で何かのお役に立てるのならば、製作した団体としてはこんなに嬉しいことはありません。
そんなこんなで平泳ぎ本店のクラウドファンディングは明日6/7金の23:59までとなっております。
最後まで何卒、あたたかいご支援のほど、何卒よろしくお願いいたします。
平泳ぎ本店 主宰
松本一歩