「不動産ブローカーを取り巻くQ&A」特別試写会レポート:その1
vol. 13 2017-03-14 0
3月12日に青森県青森市「tecoギャラリー」にて14:00〜、17:00〜、の二度の特別試写会が行われました。そこで交わされた質疑応答をお伝えします。
Q=会場のお客様 A=澤田サンダー
「元ネタはあるのか?」
Q1:私は、ほぼドキュメンタリーと言ってもいいくらい強烈なものを感じました。なぜ、外国人に土地を売る不動産ブローカーの親子を題材にしようと思ったのですか? 元ネタはありますか?
A:私(澤田サンダー)は、2000年代のはじめに不動産ブローカーをやっていた時期があります。その時に、不動産業界で話題になっていたある本があるんです。植田六男「正しい地上げのしかた・進め方」という本です。主人公の植田の名前は、彼からとっています。
1989年発刊。植田六男の代表作。本書は90〜00年代の不動産業界に大きなインパクトを与えた
A:でも、話自体は今の時期のなので、ほとんど私のオリジナルです。「現代に彼が現役だったら一体どうしていただろうか」。そして、「イデオロギーの違う子供がいたらどうなるのか」。この二つの要素を思いついた時、プロットがスラスラ書けました。
「命とお金に関する生々しさについて」
Q2:私も職業に関して非常に興味深く見せていただきました。新聞※で見て、そこが非常に気になっていたので。私が驚いたのは、植田のお金に関するスタンスです。その辺を聞きたいです。※3/11日付「東奥日報 夕刊」にて上映告知を掲載
不動産ブローカーの植田は、ある「命」に関する出来事によって強い影響力を持つ人間となる
A:ある本で軍事戦略本の引用があり、それを読んだのが原因です。アメリカ人は、例えば米兵一人2億円、イラン人700万円とか命の価格をきちんと決めて、戦争をする。その比率でアメリカ側が損を被ると「撤退する」というルールがあるそうです。
確か、イラン人を10万人殺害するのに対し、アメリカ兵が2500人そこらが死ぬとをもう撤退しなければならい、というルールの記述がありました。具体的すぎて当時は驚きました。と同時に、この事実を「一般人の生活感でわかる物語にできないか」と考えるようになりました。そしてこの映画「ひかりのたび」の脚本が誕生しました。