中澤系の歌
vol. 5 2018-08-28 0
中澤系の短歌は「かっこいい」。です。この一言に尽きます。ご本人にお会いしてみたかったと心から思います。
例えば
屠殺者のようぼくはこの手をもって血まみれのことばを切りきざむ
牛乳パックの口を開けたもう死んでもいいというくらい完璧に
理解したような気がした 理解したような気がした、ような気がした
ひょっとして世界はすでに閉ざされたあとかと思うほどの曇天
わからないのならばしかたないですねとりあえずは信じておきなさい
最後の歌の「信」だけ漢字であることの、その文字の重さを感じます。 信じることの純粋さと、そこに至るまでの混じったあらゆる思いの対比の鋭さが、かっこいい。
展示会場では他の短歌を書いた作品も展示します。書くのが楽しみ。