残り10日!・脚本が決まる〜Vo4〜
vol. 5 2020-01-23 0
クラウドファンディングもいよいよ残り10日となりました!
ここまでお付き合いしてくださった皆さん、本当にありがとうございます。
残り10日もよろしくお願いします!
今回は脚本が決まるまでのお話です。この短いスケジュールで様々な困難を乗り越えてきました。
企画会議の初日、喫茶店に集まった僕とプロデューサーの川嶋。そしてその隣で脚本のオムジが話を聞いていました。
「冬に撮るって言ってましたけどいつ頃撮りますか?」と川嶋が切り出し、
「翔さんが年末しか空いてないって言ってたから年末にしよう」と僕は軽い口調で言いました。
「え? 年末ですか?」川嶋の眉間にシワができた。
これは危険信号の合図です。この後必ず彼女は爆発すると僕は知っていました。
「嫌? 北海道帰りたい?」と噴火を抑えるべく最大限の気遣ったことを言ったつもりが、これもまた彼女の怒りに油を指す発言でした。
「いや私はいいでんですよ。それより年末にスタッフ集まると思うんですか? それにロケ地の交渉だって困難になるんですよ。そこ考えてます?」ともっともなことを言われてしまいました。
川嶋はため息をつきながらそのまま会議を進め、
「12月の末にクランクインとして、脚本は間に合います?」
これが最初の大きな問題でした。
なぜかというと僕は脚本を書くのが遅く、さらに並行してスタッフを集なければならない、という様々な問題点です。
分身できる方法を本気で考えましたが、川嶋に言うとブチ切れられるので辞め、そこから改めて考えているとある発想が出てきました。
「オムジ、本を書いて欲しい」
現在大学3年生の彼女は大学では主に映画の音について勉強していて、今作も録音技師として参加しています。
なぜそんな彼女に頼んだかというと彼女は脚本を書くことが得意であり、僕らの大学では1年の終わりから2年生にかけて長編シナリオを書くと言う課題があります。そのシナリオが完成するとプロの講師たちが学内で賞を決めることになっており、その賞にオムジは選ばれたこともあります。さらに彼女は高校の時からシナリオで受賞した経験もありました。
なんてこった。近くにこんな素晴らしい逸材がいたなんて。
僕と川嶋はオムジに「君しかいない」「お願いします」などと何度もお願いしました。
「自分のシナリオ書きたいと思っていたからいいですよ」と彼女は引き受けてくれ、今作の物語が生まれました。
監督 尾﨑優一